実家の手伝いで接した保育士の姿、専門性の高い保育の仕事に驚き
実家が保育所ということもあり、子どもは身近な存在でした。しかし、保育職は女性が就く仕事だと思い込んでいましたから、将来の仕事として意識することはありませんでした。その頃、偶然に仕事を手伝う機会があり、保育の専門性の高さに興味を持ちました。対象は幼い子どもたちですから、初めはスポンジ、それができたら消しゴム、次はソラマメ……というように少しずつ保育士が教えていくんですね。そう、子どもは遊びながら自然と指先の感覚を養い、それがお箸を持てるように持ち方を覚えていくのです。その姿に接して、保育は生きていくための糧を、計画的に構築していくものなのだと気づきました。すべての遊びが、実は教育的プログラムのもと計算され尽くされていることに驚きました。
「子どもが好きだから」という理由でこの仕事に就くことを否定はしませんが、それだけではどうなのか。保育士は子どもと遊ぶだけの簡単な仕事ではなく、子どもの生命を預かる責任重大な仕事だと考えています。