プロに聞く！スペシャルインタビュー ベルパーソンの永田彩乃さん

　小さな頃から親戚の結婚式などでホテルを利用する機会が多く、そこで働くスタッフの方々を見ながら「かっこいいな」と憧れを抱いていました。高校進学後、卒業後の進路についてよく進路指導の先生や母に相談をしていましたが、「接客業に向いているのでは？」とアドバイスをもらい、サービス業界を志すようになりました。
もともとホテルスタッフに憧れていたこともあって、幅広いサービス業界の中でも「最高のサービス」を極められるのはホテル業界だと思い、いまの仕事を強く志望するようになりました。人と接することが好きで、人を笑顔にする仕事に就きたいと考えていましたから、この仕事は天職なのかもしれません（笑）。
　現在はベルパーソンとして、宿泊されるお客様のお部屋へのご案内やチェックイン前・チェックアウト後のお荷物の預かりをメインに担当しています。また、横浜にはドラマのロケ地も多いため、周辺の観光インフォメーションも重要な業務の一つです。

　「常に笑顔でいること」ー。これは、ロビーサービスを担当させていただいている中で常に意識していることです。ロビーはまさにホテルの顔ですから、明るく親しみやすい印象を持っていただけるように意識しています。ホテルスタッフは華やかなイメージが強いかもしれませんが、多くは立ち仕事が中心だったり、あるいは裏では荷物を持って走ったりと、体力を使う業務も少なくないため、疲れた表情を出さず笑顔であり続けるよう努力しています。
　逆に、お客様が私たちを笑顔にしてくださることもあります。以前、男性のお客様がいらっしゃって「今度プロポーズをしようと思っているのですが…」と、相談を受けたことがあります。プレゼントを置く場所などをアドバイスさせていただきましたが、プロポーズがうまくいったあと、「永田さんのおかげです。ありがとうございました」というお手紙をいただきました。その時は本当に嬉しかったですね。これからもお客様と、その一瞬にしかない感動を共有できるような、素敵なホテルスタッフを目指していきます。

　専門学校時代はさまざまなことを学ばせていただきましたが、とりわけ同じリゾートホテルでの実習が一番いまの業務に活かされていると思います。基礎知識や礼儀・作法などを実践的に学ぶことができたのは大きな財産となりました。
　実習先で手話の授業がありましたが、そのおかげで耳の不自由な方をお部屋までご案内することができました。それに、横浜という立地柄、外国人の方が宿泊されることも多く、言葉がうまく伝わらないことがあります。英語を高校時代からもっと勉強しておけばよかったなと思う一瞬で、現在、頑張って勉強している最中です。とにかく、ホテルの仕事にはさまざまな知識やスキルが求められます。

　横浜ベイホテル東急の23階～25階には「ベイクラブフロア」と呼ばれる特別階があり、その階を担当するスタッフは「バトラー」と呼ばれています。通常であれば、お客様のご案内は私のようなベルパーソン、お料理の提供はウエイターというように、スタッフがそれぞれ専門の部門を担当することになっていますが、ベイクラブフロアでは専属のバトラーがまるで“専属執事” のようにチェックインやチェックアウトはもちろん、お部屋へのご案内やお食事の提供など、すべてをトータルにサポートしています。私の憧れのお仕事、それがバトラーなのです。憧れのバトラーになるには、まだまだ覚えなければならないことがたくさんありますが、夢を叶えるために一生懸命頑張っていくつもりです。
　みなさんもこれから自分の進路を決めていこうとする時、きっと困難にぶつかるでしょう。しかし、困難を乗り越えられた時の喜びは格別です。みなさんにはその若いパワーを発揮して何事にもチャレンジして欲しいと思います。その流れの中で納得できる進路を見つけられることを願っています。