重田 幸子

“おもてなし”のマインドをエアライン業界を目指す学生に伝えたい

客室乗務員重田 幸子さん
1983(昭和58)年生まれ、福岡県出身。大学卒業後、憧れの客室乗務員を目指して全日本空輸株式会社(ANA)に入社。4年間キャリアを積み、チーフパーサーの資格を取得。17年4月からは、ANAエアラインスクールで講師として、エアライン業界志望者や就職活動に励む学生のサポートを行っている。

飛行機に搭乗したお客様に対して、快適な空の旅をサポートする客室乗務員の重田幸子さん。現在は、培ってきたホスピタリティ精神を活かし、ANAエアラインスクールの講師としても日々活動されています。二足のわらじで活躍される重田さんに、それぞれのお仕事の魅力について語っていただきました。

勤務先
全日本空輸株式会社(ANA)

アドバイスをより効果的に伝える。「観察力」を身につけて相手目線で考える

 客室乗務員としてフライトしながら、現在はANAエアラインスクールの講師として、エアライン業界を目指す学生のサポートをしています。客室乗務員を目指している方に限らず、まだ志望業界が定まっていない方に対しても、自己分析を深めるサポートを行っています。具体的には、立ち居振る舞いやお客様への接遇など、おもてなしの気持ちをどのように示していくのかということを、経験を踏まえて伝えています。
 講師としてなによりも大事にしているのは、受講している方に“私の言葉が届いているか”という点です。いくらありのままを話そうとも、重要な部分が相手に伝わらなければ意味がありません。人と話す場面では基本的なことですが、声のトーンや大きさ、間の取り方などは常に意識しています。
 また、相手の個性を見極めてアドバイスをするように工夫しています。これは、客室乗務員としての業務にも同じことが言えます。提供するサービスやアドバイスが同じであっても、どのように表現すれば効果的に伝わるのか、お客様をよく観察してお伝えするよう心がけています。ANAエアラインスクールではさまざまなコースを展開していますが、短いものでは1日限りのものもあります。受講していただく方にこれまで客室乗務員として培ってきた経験を最大限お伝えできるよう努めています。私の言葉が響いて受講生の方の目つきや行動が変わり輝きを放った瞬間は、「生徒の可能性を最大限に引き出せた!」と、なにものにも代えがたいやりがいを感じますね。将来は受講生の方と一緒にフライトすることを楽しみにしています。

1年のほとんどはフライト業務。一方で人財育成も仕事のひとつ

 客室乗務員としては、国内線と国際線に乗務しており、客室の責任者としてチーフパーサーを務めています。搭乗されたお客様の身の回りのお手伝いなどのサービスはもちろん、より快適なフライトの実現に向けて、頂戴したご意見を各部署に届けたり、より高品質なフライトを実現できるよう、心がけています。
 客室乗務員は、1年間の3分の2がフライトで、残りの3分の1が休日というケースが多くなっています。フライト業務の中でも、自宅以外の場所での滞在が半分を占めます。例えば、国内線の場合は、1日平均して3便に乗務しています。羽田→福岡→羽田→千歳の業務では、千歳に泊まるというようなスケジュールですね。
 また、現在ANAには8,000人ほどの客室乗務員がおり、毎年のように多くの新入社員が入社してきますので、人財育成も大切な仕事です。10人ほどの班に分けて育成を行い、そのリーダーも担っています。

多くの人の人生に関わるのがエアライン業界。お客様の喜ぶ顔がやりがいにつながる

 高校時代は、漠然と「東京に行きたい」と考えているだけで、特に進路について明確な目標があったわけではありませんでした。ですから、進路選択の時には、いろいろな経験を積みながら視野を広げることができるのではないかと、東京の大学へ進学する道を選びました。
 大学進学と同時に上京しましたので、飛行機を利用する機会が増えました。フライトを待っている間に、客室乗務員やグランドスタッフなど、空港で働く人たちのお仕事ぶりをよく観察していたんです。それをきっかけに、飛行機が飛ぶためには多くの人が関わっているということ、また、空港は出会いや別れなど、多くの人の人生に関わっているということに気がつきました。そうしたエアライン業界の一員として働きたいと考えて、客室乗務員を目指しました。
 仕事を続けていく中で最もやりがいを感じるのは、お客様が求めるサービスと、私たち客室乗務員が提供するサービスが一致して、喜んでくださっている姿に接した瞬間です。
 例えば、以前、アメリカから30年ぶりに日本に帰国するという90歳を超えるご高齢の女性のお手伝いをさせていただいたことがありました。長時間におよぶフライトのケアはもちろん、それこそ久し振りの日本を楽しんでいただきたいという想いから、他のクルーにも相談して、メッセージを加えた手づくりのガイドブックをプレゼントすることにしました。お客様にお渡しすると、「もう日本に行ったみたいだわ!」と、とても喜んでくださり、それを実感できた時はとても嬉しく感じました。

考えて悩んだ結果が社会に出て役に立つ。周りに流されずに自分の考えを貫いて

 高校生のうちにやりたいことを見つけて、明確な答えを出すというのはなかなか難しいことだと思います。悩みもたくさんあるでしょうが、悩むとは考えるということだととらえてみてください。社会に出ると、自分で考えて判断して進めていくことの連続です。周りに流されずに自分で「何をしたいのか」を考えることで、日々自分の中で大切にしていることが、将来や仕事につながる場面もあります。そういう意味では、高校時代は、自分で考え悩んで、決断していくことが大切なのだと思います。
 いまは情報過多の時代です。大切なのは、情報をそのまま受け取るのではなく、自分に必要なものを取捨選択するということでしょう。周りに流されずに自分の考えを貫いて、自分に自信を持って進んでほしいと思います。

重田さんの「夢実現」ストーリー

○2002年 エアライン業界に興味
上京を機に、空港を頻繁に利用し、エアライン業界への関心を深める

○2006年 憧れの客室乗務員に
ANAに入社し、客室乗務員としての第一歩を踏み出す

○2010年 チーフパーサー資格取得
客室の責任者資格を取得、より責任が大きな業務に従事

○2017年 ANAエアラインスクールの講師に就任!
エアライン業界を目指す学生のサポートに全力投球

掲載日:2018-04-24

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