進路ナビニュース

【書く力】今日から使える文章力アップ術 Vol.15

高校生のための進路ナビニュース

論理的な文章には接続語が欠かせません(Vol.14)
接続語は論理の方向性を定めて、文章の読解を助けてくれる言葉だからです。
しかし、用法を理解せずに使うと、読み手を混乱させてしまう場合があります。

注意したいのが、逆説の役割をもつ接続助詞の「…が」です。
① 今日は雨だが、運動会を予定通り開催する。
② 先日運動会を開催したが、とても盛り上がった。

①の例文の「…が」は逆説の「…が」です。
「雨だけど、開催する」と、前の事柄に対して順当でない(予想に反する)事柄が続いています。

②の例文の「…が」は単純に前と後の文を接続しているだけで、逆説の役割はありません。
しかし、読み手は「…が」まで読んだ時点で逆説の文章だと推測します。
(運動会で何かよくないことが起こったのかな?と想像する)
ところが、読み進めると「運動会=盛り上がる」の順接の文章であることに気づき、混乱します。
(盛り上がったんかい!とツッコミを入れたくなる。もしくは、開催前は盛り上がりに期待できなかった運動会だったのかな?と勘ぐってしまう)

読み手の混乱を招く使い方は避けるべきです。

社会学者・評論家である清水幾太郎が著した『論文の書き方』のなかでは、
「が」の用法には、反対でもなく、因果関係でもなく、「そして」という程度の、ただ二つの句をつなぐだけの、無色透明の使い方がある。
とあります。上の例文②はこれに該当します。

「ただつなぐだけ」「無色透明」
つまり、書き手に強い意図はないのです。
文章はあなたの伝えたいことを書くものです。
どう理解するかの判断を読み手に任せるようなことはしてはいけません。

では、そんな文章を書かないようにするためにはどうすればよいのか。
長く書こうとせずに、文章を分ければいいのです。
「先日運動会を開催した。とても盛り上がった」

もしくは、意図があって逆説にしたいのであれば、次のような一文を挟むこともできます。
「先日運動会を開催した。準備不足は否めなかった。しかし、とても盛り上がった」

どちらにしても、無理に複雑な文を書こうとしてはいけません。
ひとつの内容をひとつの文で伝えることを意識しましょう(Vol.13)。


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【書く力】今日から使える文章力アップ術 シリーズVOL.1を読む
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