【書く力】今日から使える文章力アップ術 Vol.3 更新日: 2021年6月8日
高校生のための進路ナビニュース
志望理由書でよく使われる表現に「笑顔」があります。
「お客様を笑顔にしたい」「患者を笑顔にしたい」「利用者に笑顔を届けたい」。
仕事を通して人を笑顔にしたいという理想はまちがっていないはずです。
でもぼんやりとしていて、本質をついていないために、いまいちすっきりしません。
笑顔にできれば仕事はなんでもよいのかと、読み手は冷たくもそう受け取ってしまいます。
こう表現してしまう理由として考えられるのは、
●表現力不足
●職業・仕事理解の不足
●テレビ(有名人・著名人)の受け売り
たとえば看護師を目指す人の場合、たしかに患者が前向きになることで治療がうまく進むこともあるかもしれません。元気になって退院していく姿をみるのは大きなやりがいでしょう。ただ、苦しむ患者と向き合うこと、場合によっては亡くなった患者の家族と向き合うこともあるはずです。
最終的に患者の笑顔の獲得が目標で働くとしても、その過程にこそ看護師としての仕事の役割があると理解していなければ、職業理解が不足していると思われても仕方ありません。
それを説明せずに「笑顔にしたい」とだけ述べるのは一種の思考停止です。職業を意識した進路選択をする高校生の志望理由書としては不十分でしょう。
「笑顔」を使わずとも笑顔にしたい思いは表現できます。
× お客様を笑顔にする。
〇 エステのサービスを通してお客様のコンプレックスを解消することで、前向きに生きる手助けをしたい。
笑顔にするとはつまりどういうことか、突き詰めて考えてみましょう。
*今後、進路ナビニュースを通して、高校生の『書く力』を向上していくための文章力アップ術を発信していきます。
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