進路ナビニュース

【書く力】今日から使える文章力アップ術 Vol.1

高校生のための進路ナビニュース

小学生や中学生の時に書いてきた作文。
「修学旅行の思い出」や「読書感想文」など、頭に浮かぶことを思うままに書いたはずです。
ゆえに「楽しかった」と主観を書いてもいいのです。

高校生に求められるのは論理的な文章。
テーマに対する問題提起・意見や主張・理由や根拠が書かれたものです。
その代表例が小論文や志望理由書。
自由に書いても成立する作文の感覚で書くと、あなたの意見や考えは正しく伝わりません。
相手に伝わる文章のコツを、このシリーズで紹介していきます。

高校生の文章には、「~だと思う」がよく使われています。
何気なく使っているかもしれませんが、よく考えると実にあいまいな表現だとわかります。
「思う」にはたくさんの意味が含まれているからです。

「思う」は英語では13の意味があるといわれています。「think」と1対1ではないのです。
「考える」「懸念」「見なす」「信じる」「予期」「回想」
「感じる」「希望」「誤認」「つもり」「怪しむ」「想像」「念願」

これらの意味のちがいを「思う」とまとめて、表現し尽くした気になっているのです。
意図することが相手に正しく伝わらないはずです。

では、「思う」を別の言葉で言い換えるとどうなるか。
「確信する」「疑う」「考える」「感じる」「期待する」「気づく」「希望する」「決意する」
「決断する」「懸念する」「察する」「慕う」「心配する」「信じる」「推測する」「想像する」「認識する」「願う」「念ずる」「望む」「判断する」「懐かしむ」「認める」「理解する」
すべてではありませんが、これだけの言葉に言い換えられます。

・彼が犯人だと思う。
・彼が犯人だと確信する/疑う/気づく/察する/推測する

「思う」だけでは伝えきれないニュアンスまで表現できていると思いませんか。
文章を書く際には、突き詰めて言葉選びをしなければいけないということです。

参考:桜井邦朋(2009)『日本語は本当に「非論理的か」 物理学者による日本語論』祥伝社

*今後、進路ナビニュースを通して、高校生の『書く力』を向上していくための文章力アップ術を発信していきます。

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