【書く力】今日から使える文章力アップ術 Vol.4 更新日: 2021年6月10日
高校生のための進路ナビニュース
Vol.3
で「笑顔」を使ってしまう理由に有名人・著名人の受け売りがあると書きました。
「日本中を笑顔にしたい」とか「ファンに笑顔を届けたい」とか、よく耳にします。
これ以外に有名人の言葉遣いで気になるのが「させていただく」という表現です。
「出演させていただきます」「歌わせていただきます」「ライブをやらせていただきます」
思わず、ご自由にどうぞと言いたくなります。ファンや視聴者に向けての言葉遣いとして違和感だらけです。ジャ〇ーズやEX〇LEがよく使う印象があります。
文化庁は「させていただく」の使い方について『敬語の指針』で
ア)相手側または第三者の許可を受けて行い、
イ)そのことで恩恵を受けるという事実や気持ちのある場合に使われる
としています
つまり、相手から許可を受けているかどうか、自分が恩恵を受けているかどうかがポイントです。
彼らの発言も、ファンや視聴者に許可をとって出演するわけでも歌うわけでもないので、こちらとしては「私は何も許可する立場にありません」と思ってしまいます。
・「この資料、コピーを取らせていただきます」
コピーをとる許可を得て、資料を手にする恩恵を受けられるのでOKです。
ちなみに、「させていただく」を「させて頂く」と漢字で書くのは誤り。
「させていただく」の「いただく」と「ちょうだいする」意味の「頂く」は別物です。
・ひらがなの「いただく」
「~して(させて)もらう」という意味。補助動詞として使われます。
・漢字で書く「頂く」
「食べる」「飲む」「もらう」などの謙譲語です。
敬語は複雑で使い方も難しいですよね。
まずはテレビが正しいと思い込まないこと、言葉に敏感になろうと意識するところからスタートしましょう。
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「書いて考えるシリーズ」
【書く力】今日から使える文章力アップ術 シリーズVOL.1を読む
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