「趣味や好きなことを活かして進学できたらなあ……」
そんな風に考えたことはありませんか?
音楽、ダンス、写真、書道、ロボット製作……好きなこと、興味を感じることに夢中で打ち込めるのは、高校生ならではの特権と言えるでしょう。
“個性の時代”と言われる現代には、課外活動の実績を活かして進学する方法もあります。このコラムでは、それらのユニークな入試と、実績作りに役立つコンテストについて紹介していきます。
いわゆる推薦入試の中には、特別ユニーク推薦という得意分野の実績を評価する入試方式があります。
英検、TOEIC、TOEFL、簿記、情報処理など、志望学部・学科にかかわる一定ランク以上の資格取得を評価する「有資格者推薦」や、生徒会活動や部活動で優れた活動に携わった実績を評価する「課外特別活動推薦」、ボランティア活動の実績を評価する「校外社会活動推薦」など、様々な特徴を持ったユニークな入試が存在します。
それらの入試の中で、趣味や好きなことと関連が深いものとしては「一芸一能推薦」「文化活動推薦」「スポーツ推薦」が挙げられます。
一芸一能推薦は、1990年代に亜細亜大学が皮切りとなって実施し、早稲田大学をはじめとする他の大学も導入していった入試方式です。自身の持つ特異な技能や個性をアピールすることで合格を目指します。
導入当初は、けん玉日本一などの変わり種の実績での合格例もありましたが、一芸のみで合格させることには問題があるのではないかといった意見などもあり、現在では、出願条件として高校時代の評定平均値の基準値が定められたり、技能や実績の第三者機関による評価が求められるようになってきています。
音楽・美術・演劇など、文化芸術分野において、全国または都道府県レベルで入賞した実績を評価する入試です。学校により分野や種目の指定があります。
全国大会や県大会における上位入賞実績を評価する入試です。対象となる競技種目は学校により異なります。
また、近年盛んに行われているAO入試にも、特別ユニーク推薦の流れを汲んだものがあります。
「自己推薦タイプ」と呼ばれるタイプのAO入試では、自己アピールの出来が重視されるため、自己PRできる諸活動の成果となるコンテストへの参加や、作品の提出が重要になります。
高校生を対象とする全国レベルのコンテストや競技会は数多く存在しています。
その中には「日本数学オリンピック」や「科学グランプリ」などからなる「国際科学技術コンテスト」のように、大学受験の特典を明記しているコンテストもあります。
例えば、日本数学オリンピックの成績優秀者は、東京工業大学や一橋大学などの国公立大学や、早稲田大学や慶應義塾大学などの私立大学で、特別選抜入試などの特典を受けることができます。
それら以外でも、世間からの評価が高いコンテストやコンクールで上位入賞ができれば、その実績を活かして推薦入試を有利に進めることができます。少々毛色が変わったところでは、「未確認フェスティバル」のように十代のロックバンドのメジャーデビューのきっかけとなっているコンテストもあります。
どのコンテストを評価対象とするのかは、特別ユニーク推薦を実施している学校によって異なります。多くの場合は、入試要項に手がかりとなる記述がありますので、気になる学校から学校パンフレットを取り寄せるなどして確認してみましょう。
例えば、亜細亜大学の一芸一能推薦入試(平成30年度)には、以下のような出願条件が明記されています。
(2) 次のいずれかに該当する者
自分の得意分野を活かして受験できる入試がないかどうか、時間に余裕がある高校1、2年生の内に調べておいてもよいでしょう。
世の中には、本当に様々なコンテストが存在しています。
例えば、芸術・芸能分野であれば「全日本吹奏楽コンクール」「映画甲子園」「写真甲子園」「国際高校生選抜書展」「ダンス甲子園」などが、競技分野であれば「全国高等学校将棋選手権大会」「全国高等学校将棋竜王戦」などが、学術・学芸分野であれば「日本数学オリンピック」「高校生科学技術チャレンジ」「全国高等学校ロボット競技大会」などが、毎年、全国各地で開催されています。
ここに挙げたもの以外にも、高校生が参加できる全国レベルのコンテストや選手権大会は数多く存在しています。