小さい頃からアニメを作る仕事をするのが夢で、アニメ制作に関係する仕事に就きたいと思っています。 自分でいろいろと調べてみた結果、原画・動画・声優・音響・プロデューサー・監督などの仕事が見つかりました。具体的にどのような職業があり、どのようにしたらなれるのか知りたいです。
アニメ制作に関係する職種には二つの系統があります。
一つはいわゆるアニメーターで、動画マンから始まり、原画マン、作画監督、演出、監督などとキャリアアップしていく系統となります。こちらの職種を目指す場合には、やはり人並み以上の画力と根気、体力などが必要とされます。
もう一つの系統は制作進行となります。こちらの仕事は、実際に絵を描く仕事ではなく、アニメーターやアニメスタジオに発注した原画や動画の回収や運搬、各制作段階のスケジュール管理、場合によってはスタッフの送迎や背景資料の撮影など、雑用もこなしていくこととなります。
最初は完全に使いっ走りで、自動車やバイクなどを使って原画や動画の回収などの下働きを行っていくこととなりますが、仕事をしていく中で人脈を増やしたり、各アニメーター、アニメスタジオの能力の見極めができるようになってくると制作デスクという管理職になり、部下の制作進行の管理や、原画や動画をどのアニメーター、どのアニメスタジオに発注するのかなどを決めていくことになります。その後はプロデューサーになったり、場合によっては演出から監督になる人もいたりします。
この職業に就くのに特別な能力は必要ありませんが、仕事柄、スケジュール管理能力とコミュニケーション能力、夜討ち朝駆けをものともしない(アニメ業界は午後2~3時から夜中という時間帯で働くのが普通の業界です)体力と根気などが必要とされます。また、自動車の運転免許を持っていることも必須条件となります。
これら二つの系統以外にも、背景や3DCGデザイナー、撮影、音響などの仕事もありますが、これらの仕事は専門職となるため、背景が美術監督になるなど、専門技能を活かした管理職になることはあっても、上記の二つの系統のように監督になったりすることはないようです。
なお、アニメ制作関連の仕事は、給与的にあまり恵まれているとは言えない上、長時間労働が基本の職業となりますので、ただアニメが好き、というだけでは続かないかもしれません。
私は以前、半分アニメスタジオ、半分ソフトハウスといった形態の会社で働いていたことがあり、アニメ業界にも多くの知り合いがいるのですが、フリーで働けるようになった原画マンなどはともかく、新入りの動画マンなどはかなり生活が厳しいという話をたびたび耳にしたことがあります。これは制作進行も同じで、最近では制作進行のなり手が減り、業界の空洞化が進んでいるという話も聞いています。
なり方としては、アニメーターなどの技術職を目指すのであれば、関連する技術を学べる専門学校や大学・短期大学などに進学して、専門知識や技術を身につけてから、アニメスタジオや背景制作会社、音響スタジオなどの求人募集に応募することになります。制作進行を目指す場合は、運転免許以外に特別な資格は必要ないと思いますので、運転免許を持っていさえすれば、すぐにでも求人募集に応募することができると思います。
なお、アニメ関係の仕事をするには、一般的にアニメスタジオに就職することが近道ですが、アニメ関係の会社でなくとも、出版社やキャラクター関係の会社で、アニメに関する事業を行っている場合もあります。たとえばアニメ作品の企画立案を上記のような会社で行っている場合があります。
ですので、直接、アニメ制作に関わりたい、という訳ではないのでしたら、アニメ関係の業務を扱っている会社に入ることを考えてみても良いと思います。(すぎもと)
2006年09月更新