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海外で働きたい!を叶える3つのステップ

海外で働きたい!を叶える3つのステップ

2019年5月、経団連(一般社団法人 日本経済団体連合会)の中西宏明会長が「終身雇用の見直し」を発表し、大きな話題となりました。新卒一括採用、年功序列、それを前提とした職能主義など、日本の従来型の雇用が見直される中、海外での働き方に憧れて進路の目標の一つにしている人も多いのではないでしょうか。

しかし「海外で働いてみたい」という思いと同時に「難しそう、何からはじめたらいいのか分からない」という思いを持っている人もいるかと思います。

この記事では「海外で働きたい!を叶える3つのステップ」と題して、チャンスを掴むまでに必要なことをまとめてお伝えします。

ステップ1:「なぜ海外で?」まずは心の声を整理しよう

「なんだそんなことからはじめるの?」「単刀直入に裏ワザだけを教えてくれよ。」「まずは英語の勉強から、じゃないの?」という声が聞こえそうですが、実はこれが最初にして最大のポイントなのです。

なぜなら一言で「海外で働く」といっても、それを叶えるためには様々な方法があるからです。自分の目標に向かって効率的な方法を正しい順番で選ぶためにも、最初のステップが肝心です。

海外で仕事をしたい理由はたくさんあります。例えば……
・外国語を使って世界で通用するコミュニケーション能力をつけたいから。
・世界でトップの領域でビジネス経験を積みたいから。
・日本と違う文化の中で自分の可能性を試したいから。
・大学時代にリアルなビジネス経験をして人とは違う自分を就職活動でアピールしたいから。

そして、それは
・無給でもいいと思えるのか?
・英語圏で働きたいのか、他の言語なのか?
・決して日本ではできない経験なのか?
ということを自分にを問いかけてみましょう。

このようにまずは心の声をよく聞いて、自分が納得できる理由を整理してみてください。海外で働くための準備は時間、労力、生活費やビザ取得の資金、周りのサポートと理解、そして何よりも最後まで貫く「自分自身の気持ち」が重要です。

海外で働きたい理由が「なんとなく」からスッキリ!に変わったとき、それが夢を叶える大きなエネルギーになります。

ステップ2:いつどのように?海外で働くパターン紹介

自分の気持ちが固まったら次は具体的にいつ、どのようなかたちで海外で働くかを考える段階です。

どのタイミングで海外に出たいかによって、選択肢が変わります。上の表はその一例です。

高校卒業後に渡航を考えるなら ~良い点と注意点~

高校生のうちから世界に目を向けることができているのは、素晴らしいことです。

海外で働くためには「就労ビザ」を取得し、正式に労働資格を得る必要があります。ビザ取得の方法はワーキングホリデーや海外インターンシップという方法が一般的です。

一般的なのはワーキングホリデーです。海外のワーキングホリデーは高校卒業後の18歳からを応募資格の最低年齢としています。ワーキングホリデーで一番人気のオーストラリアのビザ応募資格は、18歳から35歳(2019年6月現在)と定められています。国によっては就労と同時に就学も可能なビザもありますので、語学学校や専門学校に行って海外でキャリアを積みながら仕事もできるというメリットもあります。(就学期間には制限がある場合があります)

高校卒業後の海外就職で注意するべきところもあります。
一部の国の就労ビザで、大学卒業 / 学位取得が必要になる場合もあるのです。

例えばイギリスの場合、就労ビザ資格は英語のスコアや資金の額、また学士、修士の取得状況が点数化するポイント制システム(Point-Based System)をとっています。そのスコアが基準に満たないとビザの応募資格を得ることはできません。(イギリスビザのうちTier5のYouth Mobility Scheme(YMS)がワーキングホリデービザに相当しますが、選抜方法や制度が他国と異なります。詳しくはこちらから)

このように、必ずしも大学卒でないと応募できないということではありませんが、日本国内で十分に経験を重ねたあとのほうがビザの取得に有利になる場合もあるということです。

一方、インターンシップは受け入れ先の海外企業を事前に見つけ、就労ビザ取得のためのサポートをしてもらう必要があります。専門性が高い勉強をしてきた、研究やスポーツの受賞歴がある、などの場合は高校卒業と同時にこのようなチャンスを得られる可能性があります。工業高校で高度な電子部品を使って研究や開発の経験がある、専門学校で独自のスキルを磨いているという人は在学中から研究発表やコンテストに参加して、海外企業と知り合える機会を増やすとよいでしょう。

ステップ2の表であげたように、大学生や社会人になってからも海外で働く手段と方法はあります。ステップ1で熟考した目的を踏まえて、是非戦略的な計画を立ててみてください。

ステップ3:ビザ取得のために努力できること

ステップ2で見てきたように、海外で働くためにはビザ取得の課題を乗り越えなければいけません。ビザを取得するために今からはじめられることについて見ていきましょう。

①語学の勉強
先ほどのイギリス就労ビザのポイント制システム(Point-Based System)のように、語学の資格が高いほどビザ取得が有利になることがあります。また、語学ができることは渡航後の仕事・生活において自信になります。

「海外に出ればその国の言葉ができて当たり前。」「資格のスコアのための勉強はするな。」という人もいますが、まずはTOEIC / TOEFL / IELTSなど、目指す国の基準に合わせた語学学習をおろそかにはできません。また、ネイティブが発信している学習動画や海外映画など、生きた会話を耳から学ぶことも勉強になります。

②専門性を身につける
海外は日本と異なり、「あなたは何ができるの?」という「スキル」を重視する職種主義です。大学へ進学して学問の専門性を高めたり、社会支援などのボランティア活動を通して経験を積んだりすることも評価されるポイントです。

何を学んだか?どう学んだか?ということは国内外問わず、重要な観点です。

海外では近年「STEM教育(ステム教育)」という言葉が話題です。S: Science, T: Technology, E: Engineering, M: Mathematics の頭文字をとった21世紀型の教育と言われています。これは「理系になれ!」という意味ではなく、テクノロジー社会で生き抜く主体的姿勢、論理的思考、問題解決を培う学習の重要性が注目されているということを表しています。

これから学習をするときはこの「STEM教育」も思い出してみてください。

最後に

さて、この記事では海外で働きたいを叶える3つのステップを紹介してきました。一番に思い浮かぶ「語学学習」が最後のステップであったことに驚いた人も多いかもしれません。

海外で仕事をすることは、視野を広げ自分自身を成長させるために、とても貴重な経験になります。是非、夢を叶えるために多くの情報にアンテナを張り、自分とゆっくりと向き合ってみてください。

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