〈News & Topics〉新たな学びにつながる資格~国家資格化で人気上昇、オリンピックで高まる需要etc.~

公認心理師

多くの人が抱える心の問題に対応すべく、日本で初めてとなる心理職の国家資格「公認心理師」が誕生しました。

その第一回国家試験は、平成30年9月9日に実施予定となり、注目が集まっています。

受験資格を得る主な方法には、以下の2つがあります。

①4年制の大学または専門学校で必要科目を修めて卒業した後、大学院で指定の課程を修了する大学院ルート

②規則で定められた施設で2年以上業務に従事する実務経験ルート

試験合格者は、文部科学大臣および厚生労働大臣に登録申請し、認定を受けて公認心理師として相談・助言・指導などのほか、心の健康に関する知識普及の教育や情報提供を行うことができます。

活躍フィールドは、保健医療、福祉、教育をはじめ幅広い分野が予想されています。

介護福祉士

介護福祉士になるには、国家試験に合格しなければなりません。

従来、専門学校等の養成施設を経るルートでは、卒業と同時に資格取得が可能でしたが、近年の介護・福祉ニーズの多様化・高度化に対応し、質の高い人材を確保する目的から、どのようなルートでも国家試験を受けるよう法改正がなされました。

ただし、現在は移行期間であり、平成33年度の養成施設卒業者までは、5年間の暫定的な資格が付与されます。

5年経過後も介護福祉士として活動するには、その間に国家試験に合格するか、介護業務に従事する必要があります。

平成34年度からは、すべての人が国家試験を受けることになります。

高齢化が進む社会を支える資格だけに、より確かな知識・技能を身につけることが期待されています。

全国通訳案内士

近年の日本を訪れる外国人旅行客の増加と、平成32年の東京オリンピックに向けた環境整備等を目的に、改正通訳案内士法が平成30年1月に施行されました。

それにより「通訳案内士」の名称は「全国通訳案内士」に変更され、同時にこれまで通訳案内士だけに許されていた有償のガイド業務は、資格がなくても可能になりました。

ただし、「全国通訳案内士」の名称は、国家試験合格者のみが使用できるものです。

全国通訳案内士は、高度な外国語能力や日本全国の歴史・地理・文化等の観光に関する幅広い知識を持つことを証明する資格。

グローバル化が加速する中で、世界の人々に日本のことを正確に伝え、理解してもらうために重要な役割を担っており、その存在価値はますます高まると考えられます。

認定情報技術者(CITP)

認定情報技術者(以下、CITP)は、(一社)情報処理学会が実施する、高度なITスキルの証明を目的とする日本の資格制度です。

平成30年2月、同制度は、国際的な高度IT人材資格制度を推進する「情報処理国際連合」における、

「IP3(International Professional Practice Partnership=各国の資格制度を認定する組織)」から

プロフェッショナルの資格制度の基準を満たすとして認定されました。

この認定は、非英語圏において初めてのことで、これによりCITP保有者は海外でスキルを客観的に証明できるようになりました。

情報システムは近年、世界中で基本的なインフラとなっています。

今回の認定を機に、CITPが国際的に通用度の高い資格に発展し、日本のIT技術者が海外で活躍する機会が増えることへの期待が高まっています。

日商簿記検定

各種資格・検定の中でも高い人気を誇る日商簿記検定ですが、平成29年度より4級を終了し、新レベルとして「初級」が追加されました。

新レベル導入は56年ぶりです。

その内容は、初学者が受験しやすいように短期間で必要な簿記の基礎知識を習得できるものとしています。

また、試験項目は3級に比べ基礎を中心に内容を絞り、試験時間も他級に比べて40分と短く設定。

最大の特徴は、実施から採点、合否判定までをインターネット上で行う試験方式で、随時受験できることです。

ちなみに、平成29年度実施の初級試験の受験者は4,167名、合格率は53.8%でした。

簿記の知識は、業種・職種を問わずビジネスで役立つと考えられています。

その資格にチャレンジすることは、将来の就職活動のアピールポイントになるかもしれません。

料理検定・菓子検定

私たちが食べる毎日の料理やお菓子は、単にエネルギー補給のためだけではなく、より良い人生に欠かせないもの、生活を豊かに彩るものでしょう。

それらに関する知識を学ぶ機会を提供するのが、「料理検定」「菓子検定」です。

「料理検定」は今年で第13回の実施となり、1級から3級のレベルで、料理の一般知識や技術はもとより各国料理の専門知識までを測ります。

「菓子検定」は今年第5回を実施。

比較的新しい検定で、お菓子に関心のある方対象の2級、幅広い知識を問う3級レベルがあります。

「食」には、世界の文化や人々が積み重ねてきた知恵や工夫が詰まっています。

国際交流が日常的になってきている今日、世界共通の話題として料理やお菓子の知識を身につけることは有益であるといえるでしょう。

(資料:ライセンスアカデミー『仕事・資格 GUIDE BOOK 2019』/平成30年5月17日発行)

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