高校生の就職事情

何のために働くの?

「何のために働くのか?」

このことは仕事をするに当たって、ほとんどの人にとって永遠のテーマと言えるでしょう。

「収入を得るため」「自分の能力を発揮するため」「家族を養うため」「生きがいをみつけるため」

というように、人によって価値観は異なり、働く目的はさまざまです。

一日の多くの時間を、そして一生涯の多くの期間を働いて過ごすことになりますから、就職した後に後悔することのないよう、まずは働く意味をしっかりと考えて、自分にとってより良い職場選びをするようにしてください。

大切なのは、自分なりの働く意味を見い出すことです。

平成30年4月入社の就職内定状況はどうだった?

平成30年3月16日に発表された、厚生労働省の「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・内定状況」取りまとめ調査(平成30年1月末現在の集計値)によれば、

平成30年3月に高校を卒業した生徒の就職状況は、就職内定者163,297人と昨年同期比1.1%減でしたが、就職内定率は94.3%で同0.3ポイント増となっています。

また、求職者数173,111人(同1.5%増) に対して、求人数は430,153人(同11.9%増)で、求人倍率は2.48倍と同0.29ポイント増であり、全体として就職環境は良好であったといえます。

厚生労働省「労働経済動向調査(平成30年2月)の概況」には、「平成30年新規学卒者の採用計画」が盛り込まれています。

採用計画・予定があるとしている事業所の割合は、大学卒・文科系44%、大学卒・理科系46%、高等専門学校・短期大学卒33%、専修学校卒28%。

それに対して高校卒は47%と、採用に意欲を見せる企業割合が最も高くなっていることも、内定率を下支えしている要因の一つでしょう。

ただし、全体的に厳選採用の流れは変わらず、志願する会社への就職には、しっかりとした準備が必要です。

会社を選ぶ基準は?

会社を選ぶポイントは、実は例年あまり変わりありません。

重視されるのは「仕事がおもしろそうか」「自分の力が活かせる場所か」「職場の雰囲気」「会社の将来性や安定性」「給与や福利厚生」「家から通いやすいか」など。

会社を選ぶ際には、それら何を重視するかの優先順位を決めることが大切ですが、そのためには自分が「仕事や会社に何を求めるか」を考えること、いろいろな会社の情報を収集し、研究を重ねることが必要となってきます。

その際には進路指導の先生や家族、先輩からの情報・アドバイスも参考にすると良いでしょう。

良い・悪いではなく、日本の「就職」の多くは、その会社に入社して勤務する「就社」となることが多いため、勤務地や企業の社風・風土、また福利厚生や勤務形態などにも留意する必要があります。

もちろん最後に決めるのはみなさん自身です。

さまざまな情報をよく吟味し、数年後の自分の姿をイメージしながら、悔いを残さない会社選びをしていきましょう。

会社は志願者のどんなところを見るのかな?

事業や業務によって、会社が求職者に求める技術や能力は異なりますが、上表のように多くの会社が共通して必要とする資質や能力があります。

上表の調査は、学校教育において生徒に身につけてほしい資質や能力は何かを、会社に尋ねたものです。

調査結果を見ると、半数以上の会社が「学校で養成してほしい」と回答しているのは、

【人格】においては「対人コミュニケーション能力の養成」(86%)、「ストレス耐性」(68.9% )、「基本的生活習慣や社会人としてのマナーの教育」(65.8%)、「自立心の養成」(61.7%)

【教育】においては、「基礎学力の養成」(92.3 %)、「一般教養教育」(75.8%)、「論理的思考能力や問題解決能力の養成」(60.3%)となっています。

以上のことから、採用に際して会社は、意思疎通のためのコミュニケーション力や、あいさつや時間をきちんと守るといった基本的な生活態度を身につけた人、物事に粘り強く取り組む人、そして基礎学力と自分で考える力を持つ人を求めているといえそうです。

『就職後の状況』を読む!

(資料:ライセンスアカデミー『進路のてびき2019 就職・公務員編』/平成30年5月12日発行)

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