医療・福祉分野のスペシャリスト ◆ 言語聴覚士

言語コミュニケーションに障害を抱えた人を指導・訓練する

脳卒中などの脳の障害により、話す、書くなどが難しくなり、言葉を思い出しにくくなる「失語症」、脳機能障害により、唇や舌の筋肉を動かす神経の働きが悪くなり、ろれつが回らなくなる「運動性構音障害」、言葉の一部を繰り返す、つまってしまう、また声が出にくく、大きな声が出せなくなる「吃音・音声障害」などの言語をはじめとする症状だけでなく、「聴覚障害」や「嚥下障害」など、さまざまな症状に対応するのが言語聴覚士です。

「話す」「聴く」だけではなく、発声・発音、認知など、言語コミュニケーションに障害を抱えた人の機能回復を目指し、指導・訓練を行います。

言語障害の症状はさまざまで、また、高齢社会のいま、高齢者の言語訓練などを担当することも増えてきています。

こうした場合でも、介護福祉士やケースワーカーなどを含んだチームとしての対応が必要となります。

対象も、乳幼児から高齢者まであらゆる年代にわたるため、一人ひとりの状態を見極め、心理面も含めて言語や人とのコミュニケーションの回復をサポートしていきます。

なお、言語聴覚士はSpeech Therapist、略して「ST」とも呼ばれます。

言語聴覚士になるには、高校卒業あるいは大学の入学資格を得た後、法律で定められた学校・指定養成施設で学び、国家試験に合格して、厚生労働大臣の免許を取得するのが一般的です。

国家試験受験資格の主な取得方法

(1)高校卒業あるいは大学の入学資格を得た後、文部科学大臣の指定する学校または都道府県知事の指定する養成所(3年以上)を修了する。

(2)大学・短期大学、もしくは高等専門学校等において2年以上(高等専門学校は5年以上)修業し、かつ厚生労働大臣の指定科目を修めた者で、文部科学大臣の指定する学校あるいは都道府県知事の指定する養成所(1年以上)を修了する。

(3) 大学・短期大学、もしくは高等専門学校等において1年(高等専門学校は4年)以上修業し、かつ厚生労働大臣の指定科目を修めた者で、文部科学大臣の指定する学校または都道府県知事の指定する養成所(2年以上)を修了する。

(4)大学で厚生労働大臣の指定する科目を修めて卒業する。

【問合せ先・関連団体】
■公益財団法人 医療研修推進財団
TEL 03-3501-6515
URL http://www.pmet.or.jp/

■一般社団法人 日本言語聴覚士協会
URL http://www.jaslht.or.jp/

活躍フィールド

病院のリハビリテーション科、脳外科、耳鼻科、形成外科、小児科、老人保健施設、保健所、保健センター、身体障害者福祉センター、療育センター、きこえの教室、ことばの教室 等

言語聴覚士を目指せる学校はコチラ

(資料:ライセンスアカデミー『医療系学校入試データ 2018』/平成29年11月30日発行)

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