試験合格へのカギを握っているのは、入試をしっかり理解しているかどうか。
だからこそ、学校案内書やウェブサイト、募集要項等に掲載されている入試情報を徹底的に読み込み、その特徴や仕組みが分かっていれば、合格に一歩近づくはずです。
入試日程や入試科目をしっかりと確認して、自分なりの受験プランを組み立てるようにしましょう。
受験を乗り越える
受験を乗り越えるために知っておくべきことはたくさんあります。
「志望大学の試験をとにかく受ければ良い」と思っていると、せっかくのチャンスを逃してしまうかもしれません。
多くの場合、同じ一般入試でもいくつかの方式があり、受験科目の数や配点の違い、入試の時期の違いなどによって分かれています。
また、センター試験の結果を利用して受験できる私立大学もあります。
第一志望の大学だけではなく、併願校の入試情報を複数検討し、自分の力がより発揮できるように対策を練りましょう。
◆Check Point◆
・入試日程が重複していないか
・自分の得意科目で受験できるか
・志望大学・学部には最大
・何回チャレンジできるか
・自分の学力で合格点に届くか
・受験したい学部・学科のライバルの多さ
・合格者の傾向はどうか
同じ一般入試でもさまざまな入試方式があります。
3科目で受験できる場合や2科目で受験できる場合、また全学部共通の「全学部日程」を設けている大学もあります。
さらに、日程も複数用意されていることが多くありますので、より負担が少なく臨める入試方式を見極めましょう。
大学入試センター試験利用入試
センター試験の結果をもって私立大学を受験することができる方式。
国公立大学を目指している人や、試験会場から遠い場所に住んでいる人にとっては嬉しい入試。
ただし、センター試験を受ける前に出願しなければいけない場合と、試験後に出願する場合があるので注意が必要。
全学部統一入試の活用
まずは受験したい大学の入試日程が、第一志望・第二志望で重複しないかチェックしておこう。
連日の受験も消耗するので注意。
複数学部を受験する場合や入試日程が重なる場合は、全学部共通の「全学部統一入試」を活用するのが効率的。
しかし各学部の独自入試のほうが得意科目を活かせる場合が多いため、日程だけではなくそれぞれの入試方式の特徴も確認しておこう。
入学手続日と合格発表日の兼ね合い
せっかく合格できたとしても、手続きの締切日までに入学金等を用意できなければ入学することはできない。
第一志望校の合格発表日より併願校の手続き日が早い場合は、第一志望の結果を待たずに入学金を納入する必要に迫られる。
特に国・公立大学を目指す人は注意。
入試科目は大学・学部によって異なります。
さらに同じ学部内でも、学科ごとの求める能力によって配点に差がある場合もあり、入試科目は大学のアドミッション・ポリシーを反映していると言えるでしょう。
自分の得意科目としっかり照らし合わせましょう。
受験科目数をチェック
国・公立大学の多くは5教科7科目。
私立大学は3科目で受験できる大学が主流。
3科目中、すべての科目が指定されている場合と希望の科目を選択できる場合があるため、得意科目・不得意科目の扱いを確認しよう。
3月期の入試は科目数が減る傾向がある。
満点は何点?
すべての科目の配点を合計した最大値が満点。
満点の数字が大きいほど、一つの解答の重みが大きくなる。
特に国公立を目指す人は、センター試験の満点と、二次試験の満点の比率を確認し、センター試験重視なのか二次試験重視なのかを見極めよう。
必須科目と選択科目
多くの大学が英語を必須科目にしている。
加えて、文系学部で国語、理系学部で数学を必須にしている場合が多い。
ただしその内容として国語に漢文が含まれる場合とそうでない場合、また数学はⅡ・Bの範囲までで良い場合とⅢ・Cの範囲まで含まれる場合とがあるため、自分の勉強してきた範囲とズレがないか確認しよう。
さらに選択科目にも注意。
文系学部でも数学が選択できる場合や、理系学部でも国語が選択できる場合がある。
途中で分野を変更した人や文理融合型の学びを得意とする人には有効だ。
傾斜配点
すべての科目が同じ配点であれば、それぞれの科目の扱いは同等になる。
一方、特定の科目の比重を大きくしたり小さくしたりすることを「傾斜配点」と言う。
例えば英語を学ぶ学科では、英語の配点が他の科目より大きいことがある。
こうした場合は英語が得意な人が有利になり、国語の配点が高ければ国語が得意な人が有利となる。
自分の得意科目の配点が小さくなっていないか注意しよう。
また、センター試験の配点にも注意が必要。
センター試験の基本的な配点と異なり、各大学の重視する内容に合わせて設定されている場合があるため、自己採点が良かった場合でも油断せずに確認しよう。
過年度入試データの活用
志望大学の過年度の入試データを確認することは、自分の実力が最大限に活かせる入試を見つけることに直結します。
もちろん、合格に向けた一つの具体的な目標にもなるでしょう。
大学によって公表の方法や形態はさまざまですが、ここではまず、「合格最低点」「志望倍率」「実質倍率」など、基本的な項目を見てみましょう。
合格最低点をチェック!
大学によって発表内容は異なりますが、上表のような入試結果データを公表しているところは少なくありません。
このような「入試データ」を見つけたら、まずは「合格最低点」に注目してみましょう。
学部や学科、入試方式によってバラツキはありますが、ボーダーラインはおよそ60%以上。
満点を取らなくても合格できることが分かります。
場合によっては、50%台で入学している受験生がいるかもしれません。
志願倍率と実質倍率の違い
「倍率」という言葉には注意が必要です。
なぜならば「志願倍率」と「実質倍率」という2種類があり、その意味や算出方法が異なるからです。
一般的に「志願倍率」は高めの数値が出るため、厳しい競争があるかのように見えます。
一方「実質倍率」を見ると、そうでもないことがあるため、数値に惑わされないようにすることが大切です。
※詳しくは「知っておきたい入試用語」をご覧ください。
言葉の意味を理解し、併願作戦を立てましょう。
大学が公表している入試結果のデータにはさまざまなものがあります。
例えば、志願者の男女別比率や現役・既卒者(浪人)別の志願者比率、また地域別の志願者比率を公表している大学もあります。
このようなさまざまなデータが公表されていれば、ぜひ参考にしたいのが、「男女比率」と「現浪比率」です。
「男女比率」は学部・学科によって大きく違います。
一般的に、文系学部は女子比率が高く、理系は男子比率が高くなります。
女子比率が高くなると、男子と競争することになるため、難易度が高くなります。
もし、過去のデータが入手できれば、女子比率の高低で難易度を推測することも可能です。
また、「現浪比率」は他の大学と比較する際に有効です。
合格者の現役比率が高ければ、現役生が取り組みやすい入試問題と言え、浪人生比率が高ければ浪人生が取り組みやすい出題内容と言えます。
受験対策をする上で参考にしてみてください。
(資料:ライセンスアカデミー『大学受験合格GUIDE BOOK 平成31年度春版』/平成30年4月9日発行)