医療・保健の資格 ~ 医師・看護師・救急救命士・薬剤師 ~

医師

医療の専門知識・技術で、人々の健康や生命を守る

医師には、患者の診療を行う「臨床医」と、病気の原因や治療法を研究する「研究医」があり、多くは臨床医となって、医療チームの責任者として患者の治療にあたる。

高い専門技術はもちろん、人間性とコミュニケーション能力が問われる仕事だ。

人の命に関わる仕事だけに、大学で6年間学び国家試験に合格した後も、研修や臨床経験を積まなければならないため、一人前になるまでの道のりはかなり長い。

医師になるには、高等学校卒業あるいは大学の入学資格を得た後、法律で定められた学校で学び、国家試験に合格して、厚生労働大臣の免許を取得する。

診療に従事しようとする医師は、国家試験合格後、さらに大学の附属病院か指定病院で2年以上の臨床研修を受けなければならない。


国家試験受験資格の主な取得方法
①学校教育法に基づく大学において、医学の正規の課程(修業年限6年)を修了する。

②医師国家試験予備試験(※)に合格した者で、合格後1年以上の診療および公衆衛生に関する実地修練を経た者(修練を終える見込みの者を含む) ほか

※外国の医学校を卒業した者や外国で医師免許を取得した者で、厚生労働大臣が適当であると認定した者などが国家試験の受験資格を得るための試験。

看護師

*1 統合カリキュラムを履修して卒業することにより、4年間で看護師に加え、保健師の国家試験受験資格が得られる場合がある(助産師のカリキュラムを導入している場合は助産師の国家試験受験資格の取得も可能)。

*2 准看護師養成施設へは中卒で入学することができる。

ただし、さらに進学課程に進む場合、高卒の准看護師はすぐに受験できるが、中卒の場合は3年間の実務経験が必要となる。

*3 3年間修了時点で高校卒業資格は得られるが、准看護師試験の受験資格を得ることはできない。


医師と患者をさまざまな面からサポートする
看護師の仕事は、医師のパートナーとして医療補助を行うこと(准看護師の場合は医師や看護師からの指示により業務を行う)。

実際に行う業務内容は、病棟勤務における患者への治療・身体介助・食事介助・心理的サポートや、医師への報告、詳細な看護記録の作成、外来診療における医師のサポート、手術のサポート、医師以外の医療スタッフとの連携をスムーズに行うことなど、非常に多岐にわたる。

勤務体制は日勤、準夜勤、深夜勤のシフトによる1 日3 交替制が多く、月に何度かは夜勤を担当することがある。

看護師になるには、高等学校卒業あるいは大学の入学資格を得た後、法律で定められた学校・指定養成所で学び、国家試験に合格して厚生労働大臣の免許を取得する。


国家試験受験資格の主な取得方法
①高校卒業あるいは大学の入学資格を得た後、文部科学大臣の指定する学校[大学(4年)・短期大学(3年)・専門学校(3年)・統合カリキュラム開設校(4年)課程]を修了する。

②高校卒業後、厚生労働大臣が指定する養成所(3年以上)を修了する。

③准看護師免許を得た後、3年以上業務に従事している准看護師、もしくは准看護師の資格を取得後、文部科学大臣の指定する学校または厚生労働大臣の指定する養成所(進学課程2年以上)を修了する。

救急救命士

的確かつスピーディな救急医療を担う
傷病者を救急車で病院に運ぶ救急搬送時に、医師の指示のもと、心臓マッサージや静脈路確保のための輸液点滴、肺に空気を送る気道確保、また人工呼吸による呼吸管理などの救急救命処置を行う。

一刻を争う生命の危機に直面することも多く、冷静沈着な行動力、的確な判断力、幅広い医療知識が必要とされる。

現在、有資格者の多くは消防機関に属している。

救急救命士になるには、高等学校卒業あるいは大学の入学資格を得た後、法律で定められた学校・指定養成所で学び、国家試験に合格して、厚生労働大臣の免許を取得するのが一般的。


国家試験受験資格の主な取得方法
①高等学校卒業あるいは大学の入学資格を得た後、文部科学大臣の指定する学校または都道府県知事の指定する養成所(2年以上)を修了する。

②大学・短期大学、高等専門学校等において1年(高等専門学校は4年)以上修業し、かつ厚生労働大臣指定の科目を修了し、文部科学大臣指定の学校または都道府県知事指定の養成所(1年以上)を修了する。

③大学(短期大学を除く)で指定の科目を修了し、卒業する。

④消防法で定められた救急業務に関する講習で規定の課程を修了し、5年(または2,000時間)以上救急業務に従事した者で、文部科学大臣指定の学校または都道府県知事指定の養成所(1年以上)を修了する。

薬剤師

薬を扱い、人々の健康維持と病気治療に貢献する
病院や薬局において、医師の処方により薬を調剤したり管理するのが主な仕事。

調剤は患者の症状やアレルギー歴などを考慮して、副作用がないようにしなければならない。

薬剤師資格を活かし、薬局やドラッグストアで市販薬に対してアドバイスをする仕事もあり、調剤の仕事同様、患者への服薬指導をする重要な役割を担う。

また、製薬会社での医薬品の研究開発・製造などに携わる人もいる。

薬剤師になるには、高等学校卒業あるいは大学の入学資格を得た後、法律で定められた学校で学び、国家試験に合格して、厚生労働大臣の免許を取得する。


国家試験受験資格の主な取得方法
学校教育法に基づく大学において、薬学の正規の課程(修業年限6年)を修了する。 ほか

※薬剤師法が改正され、平成18年度から薬剤師国家試験を受けることができるのは、原則として薬学6年制課程卒業者となった。

ただし、平成29年度までに薬学4年制課程に入学し、その後、薬学の修士課程または博士課程を修了した者が一定の要件を満たす場合には、受験資格が与えられる。

(資料:ライセンスアカデミー『学べることから見つける大学探しBOOK 2019』/平成30年6月15日発行)

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