系統解説 ◆ 医療・保健系統

医療・保健

人々の健康を支えるスペシャリストを目指す

●何を学ぶ?
医師、歯科医師、薬剤師、看護師、臨床検査技師、作業療法士など、医療・保健関連の仕事をする際に必要な資格を取得するための知識・技能の修得を目指す。

医療関連の資格の多くは国家資格であり、その受験資格を得るには、養成施設として指定されている大学・短期大学等で規定の科目を修了しなければならない。

なお、医師・歯科医師を目指すには規定の6年制大学を卒業することが条件となるなど、他分野と修業年数が違う場合も多いので、自分が目指す資格の取得に向けて、何年間学生生活を送る必要があるのかもチェックしておくこと。


●学びの内容・特色
医学部では、解剖学、生理学、人体病理学などの「基礎医学」、治療に関しての専門的な研究を行う「臨床医学」、公衆衛生学といった「社会医学」などを学ぶ。

看護学部では、基礎的な看護の理論や手法に加え、解剖生理学、栄養学といった科目、さらには老人看護、成人看護、小児看護など、対象に合わせた看護法を学ぶ。

医療・保健系の学びでは、技術の修得が大きな目標であるため、いずれも実習時間が長くとられていることが特徴。


●目指せる職種・活躍フィールド例
医師、歯科医師、薬剤師、看護師、歯科衛生士、歯科技工士、臨床検査技師、診療放射線技師、臨床工学技士、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士、義肢装具士、はり師・きゅう師、柔道整復師、救急救命士

栄養学

栄養や食生活に関する知識などを学ぶ

●何を学ぶ?
生命の維持や心身の健康を保つために、栄養の状態や必要度について研究する分野。

食物、栄養と食生活に関する科学的知識に加え、運動と栄養の関係、人体の基本的な構造・機能、疾病予防・治療、児童・高齢者に対する栄養指導などについて学ぶ。

実験・実習も多い。


●主な学部・学科
家政学部、生活科学部、栄養学部、健康科学部などの栄養学科、医療栄養学科、健康栄養学科、管理栄養学科などで学べる。


●学びの内容・特色
栄養学を学ぶ学科は、栄養士または管理栄養士の資格取得を目指すカリキュラムを備えている場合が大半。

栄養士は、栄養学に基づいて、栄養バランスの取れたメニューの作成や調理方法の改善をする食生活のアドバイザー。

栄養士の資格は厚生労働大臣から栄養士養成施設として指定認可された学校を卒業することで取得できる。

また、管理栄養士は、栄養指導のための企画や傷病者に対する療養のために必要な栄養指導、大規模給食施設における管理業務や労務管理などを行う。

管理栄養士養成施設の認定を受けている学校を卒業、あるいは栄養士養成施設を卒業後に実務経験を積んだのち、国家試験に合格することで資格を取得することができる。


●目指せる職種・活躍フィールド例
栄養士、管理栄養士、栄養教諭、食品開発コーディネーター など

医療経営・医療情報学

病院内での事務作業や情報管理に必要な知識を学ぶ

●何を学ぶ?
医療施設における管理職等の業務サポートに必要な知識を学び、事務業務やデータ処理・管理の能力、およびマネジメント力を身につける。


●主な学部・学科
経営情報学部などの医療情報学科、医療福祉マネジメント学科などで学ぶことができる。


●目指す主な職業
〈医療事務/医療秘書〉
医療事務は、主に病院や医院の窓口において、受付、治療にかかった費用の計算・請求、保険証の確認、カルテの作成・管理などを行う仕事。

医療秘書は、それら医療事務の業務に加え、医師が抱える事務の補佐やスケジュール管理を行う仕事を網羅している。

どちらも関連資格を取得しておくと実践で役に立つ。


〈診療報酬請求事務〉
医療機関を利用した際にかかる健康保険の費用を、国や健康保険組合に請求するための事務処理を行う仕事。

具体的には、診療内容による保険点数を計算して、レセプト(診療報酬明細書)を作成する。

この仕事をするために必須の資格はないが、「診療報酬請求事務能力認定試験」の資格を持っていると良いだろう。


〈診療情報管理士〉
患者一人ひとりの病歴や治療の情報が記入されているカルテなどの医療データを一定の方法で整理し、医師や看護師の要求に応じて迅速に情報を提供できるようにする仕事。

「診療情報管理士認定試験」の受験資格は、日本病院会指定の大学・短期大学などで指定単位を修得し卒業するか、日本病院会の診療情報管理士通信教育を修了することで取得できる。


(資料:ライセンスアカデミー『学べることから見つける大学探しBOOK 2019』/平成30年6月15日発行)

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