系統解説 ◆ 教養・総合科学系統

教養学

複数分野の学びから幅広い視野と知識を身につける

●何を学ぶ?
特定の学問の枠にとらわれることなく、多種多様な分野を並行して学んでいく。

複数の分野を横断して学ぶことで、幅広い視野と知識、いわゆる教養を身につけることを目的とする。

学びの範囲は、史学・地理学・文化学などの「人文科学」、法学・政治学・経済学などの「社会科学」、また大学によっては、物理学・化学などの「自然科学」や「芸術」関連の分野もその学びの対象となる。

●主な学部・学科
教養学科、国際教養学科、リベラルアーツ学科などといった学科で学ぶことができる。

●学びの内容・特色
一般的には、はじめに複数の分野にまたがる幅広い領域を学んだ後に、自らが興味のある専門分野についてさらに深く学んでいくケースが多い。

学ぶ範囲が広いということで、同じ教養学系の学科でも、大学・短期大学によって用意されている講義は大きく異なる。

科目の選択に関して比較的自由度が高い分野といえるが、単に「教養」を学ぶだけでなく、そこから新しい視点や自分なりの視点を見つけることも求められる。そのためにも、目的や方向性を持ってコースや講義を選択することが大切。

学びの目安となる「主専攻」に加え、関連分野などからなる「副専攻」が選択できるケースもある。

●目指せる職種・活躍フィールド例
国家公務員、地方公務員、学芸員 など

国際関係学

国家・地域の歴史や文化、関係性への理解を深める

●何を学ぶ?
国家間または特定の地域における歴史・思想・宗教などについて学んだり、政治・経済・社会についての考察を深める。

国際問題解決の糸口などについて考えたり、環境問題、エネルギー問題や平和など世界的テーマについての研究をすることもある。

国際関係を構成する要素は、それぞれの国・地域の歴史的背景・文化的背景・風土などが複雑に絡み合っており、それらの一つひとつについて知ることからスタートし、国際関係や現代の諸問題への理解を深めていく。

国際的な問題が研究テーマとなるため、語学修得に力を入れている学部・学科も多い。

●主な学部・学科
国際学部、国際関係学部など、「国際」と名のつく学部が多い。

文学部、法学部、経済学部、人文学部などの学部で学べることもあり、その場合はそれぞれ、文化、国際法、国際経済、国際コミュニケーションといった視点を中心に学ぶ。

●学びの内容・特色
政治・経済・法律・文化・言語などを幅広く学び、それらを柔軟に活用しながら紛争解決の糸口を探る。

語学修得に力を入れている大学では、外国語関連科目の講義を充実させているところが多くある。

現地調査を目的とした海外研修や留学制度を備えている大学もある。

●目指せる職種・活躍フィールド例
国家公務員、地方公務員、外交官、国連職員 など

人間科学

人間を多面的な角度から総合的に研究

●何を学ぶ?
人間に関わるあらゆる事象がテーマとなり、さまざまな学問を駆使して総合的に研究する学問。

私たちを取り巻く諸問題には多様な問題が複雑に絡み合っており、一つの学問領域では対処しきれないことが多い。

そのため、人間そのものや、人間が作り出す社会や文化についての把握を目指し、集団における人、個としての人など、あらゆる側面から人間をテーマとして探求する。

哲学、心理学、教育学、文化学、地理学、史学、社会学などはもとより、テーマに応じて文系・理系問わず必要な知識を学んでいく。

●主な学部・学科
人間科学部、あるいは人文学部・文学部の人間科学科・人間関係学科などで学べる。学ぶ領域が幅広いので、各大学によって、学部・学科の名称もカリキュラムの内容も異なる。

進学を考える大学で学ぶことができる内容について、よく調べることが大切。

●学びの内容・特色
人間科学は、人間を総合的に把握することを目的としているため、研究の手法も多様である。

心理学、教育学、社会学などを中心にアプローチしていく学科、また各分野を総合的に学んでいく学科、さらには健康・スポーツなどといった分野から研究を行っていく学科などもある。

●目指せる職種・活躍フィールド例
臨床心理士、産業カウンセラー、学芸員 など

総合科学

文・理の枠組みを超えて社会の諸問題にアプローチ

●何を学ぶ?
現代社会に存在するさまざまな問題に対して、多方面の学問を用いて考えていく。

細分化された学問領域における学びの内容を横断的につなぐネットワークとしての役割を担っており、文系と理系を融合した学びをすることが特徴の一つと言える。

例えば環境問題を考えていく場合にも、環境保全を扱う生物学や農学などのいわゆる自然科学的な側面だけでなく、文化、社会といった人文科学・社会科学的な領域など、環境に関わるあらゆる分野からアプローチしていく。

そのようにして、環境問題の解決方法を探っていく学びの形態をとる。

●主な学部・学科
環境創造学科、人間環境学科、総合情報学科、人間共生学科など「環境」「情報」「人間」と名のつく学科で学べるケースが多い。

また、総合政策学科や社会科学科といった学科で学べる場合もある。

●学びの内容・特色
総合科学はその学びの多様さから、扱うテーマやその研究方法まで実にさまざまである。

そのため、講義内容は、大学・短期大学によってかなり異なる。

社会学・経済学・地理学など文系分野のものから、数学・化学などの理系分野が中心のものまで実に多岐にわたるため、詳しくは各大学のカリキュラムを参照して確認する。

●目指せる職種・活躍フィールド例
国家公務員、地方公務員、学芸員 など

(資料:ライセンスアカデミー『学べることから見つける大学探しBOOK 2019』/平成30年6月15日発行)

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