厚生労働省の調査によると、「若年層のパート・アルバイト及びその希望者」(いわゆるフリーター)の数は、平成29年度(平均)で152万人でした。
フリーターを選択する理由は人それぞれだと思いますが、もしも「なんとなく」「とりあえず」選ぼうと思っている人は以下に掲げるデータを見てもう一度考えてみてください。
(資料:厚生労働省『平成29年 賃金構造基本統計調査』)
正規雇用(正社員・正職員)と非正規雇用(正社員・正職員以外)の賃金を比較すると、正規雇用の賃金は、50歳代の前半まで増加しますが、非正規雇用では、年齢が上がっても賃金上昇はほとんど見られません。
高校卒業直後であれば、両者の賃金格差は小さいものです。
しかし、年齢と共に格差は顕著となります。例えば、高校卒業後に就職した男性の場合、60歳まで正規雇用で働いた人と非正規雇用を続けた人の生涯賃金(退職金を除く)は、平均で約8千万円程度の差になると考えられます。
(資料:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「企業の人材ニーズ等に関する調査」〈2016年12月〉)
今後の正社員と非正社員に関する考え方を企業に聞くと、
“非正社員の職務や処遇を見直すべき”(上図「Aに近い」+「どちらかというとA」)との回答は30.3%、
“非正社員と正社員の職務を分離し、処遇の違いを維持すべき”(「Bに近い」+「どちらかというとB」)は27.2%となっています。
近年、正社員と非正社員の労働と評価を平等にしようという動きが反映され、“見直すべき”とする企業が増えています。
しかし、40%の企業が“どちらともいえない”と回答しており、両者の処遇等の違いの解消にはなかなか至らないと推測されます。
(資料:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「第4回若者のワークスタイル調査」〈2017年10月〉)
日本では、労働者の募集、採用時に年齢制限を設けることは原則禁止されていますが、多くの企業で年齢制限を設けているのが実情です。
また、フリーターを継続すると、正社員への道が難しくなるという調査結果も出ています(上表)。
フリーターに任される仕事は専門性を必要としないことが多く、十分な知識や技術を習得できない点が大きな痛手となっているようです。
以上のことからも、安易にフリーターを目指すのは避けた方が賢明といえるでしょう。
一般的に、期間や業務内容を限定した雇用契約で働く社員のことを、このように「契約社員」と呼ぶことが多いようです。
契約社員として働いている人の中には、「正社員になる前のステップアップ」として働く人や「高度な専門性を活かして専門職として働きたい」と考える人、また「定年後の再雇用で働いている」人など、さまざまなケースが混在しています。
自分のライフスタイルに合わせて仕事ができるというメリットはありますが、期間の定めがあるため、安定した将来設計を立てることが考える以上に難しく、人員整理の対象になりやすいというデメリットもあるようです。
添付『正社員とその他の雇用形態の違い.pdf』をご覧ください。
※添付は一般的な例です。地域や事業所等により内容に差があります。
(資料:ライセンスアカデミー『がんばれ!青森県の高校生 2019』/平成30年4月25日発行)