高校新卒予定者の就職活動は一定の流れに沿って進みます。
活動中は履歴書を書いたり、必要書類を揃えたり、あるいは就職試験対策を練ったりと忙しくなります。
やらなければならないことが抜けたり、出遅れたりすることがないように、まずは全体の流れをよく把握しておきましょう。
学校の進路指導部あてに各企業から送られてきた求人票や会社案内などを見て、自分の希望している会社がどのような状況か調べていきます。
その際に大切なのが、就職するに当たっての自分の優先順位。自分の希望をすべて満たす会社があればベストですが、なかなかそうはいきません。
「譲れない条件(優先順位が高い)」と「できればかなってほしい条件(優先順位が低い)」を決めて、求人票を見ることが大切です。
〈優先順位をつける主な項目例〉
(ここに書いてある条件は求人票で確認することができます)
●仕事の内容 ●勤務地 ●通勤時間 ●就業時間・休日等 ●給与待遇 ●福利厚生 ●宿舎・寮の有無 ●会社の規模…など
★添付の『求人票の見方』『求人票チェックシート』も活用しよう。
三者面談は、自分では気づかなかった点や見えていない部分を知ることができる絶好の機会。自分の進路について保護者や家族の方々、また担任
の先生と十分に話し合いましょう。もしも、迷いや不安があればすぐにでも相談してみましょう。
そのためには、平素から保護者や各先生方に相談に乗っていただき、十分にコミュニケーションを取っておくことが大切です。
就職を希望する会社が見つかったら次は会社見学をしましょう。
会社がどこにあって、自宅からどれくらいの時間がかかるのか、またその周囲はどんな環境で、どのような人たちが働いているのか、自分の目で実際に見ることで、就職に向けた心構えが必ず変わってくるはずです。求人票や会社案内書では知ることのできないさまざまな情報も得ることができるでしょう。
また、会社見学では、「自分が会社を見学する」と同時に、「会社側も自分を見ている」ということを忘れずに。服装や言葉づかい、マナーなど
には気をつけて臨みましょう。
一般的な流れとしては、夏休みに見学が行われることが多くなっています。
★添付の『会社見学チェックシート.pdf』『企業研究シート.pdf』も活用しよう。
実際の職場で実際の業務や仕事内容を体験できるのがインターンシップです。
机上の会社研究だけでは分からない、実際の業務内容や社会人が働く職場の雰囲気などを体感することができます。
入社後の姿をイメージしながら取り組むことで、自分の職業適性や将来設計を考える機会になるだけではなく、さまざまな世代とのコミュニケーション能力も向上するでしょう。
高校新卒予定者に関する採用・就職活動は、都道府県ごとにルールが決められています。多くの都道府県では、一定の期日までは1人1社に限り学校内で選考した生徒を推薦する「1人1社制」という制度を従来採ってきましたが、近年の求人激減などを踏まえ、制度は変更されています。各都道府県には都道府県の労働行政担当、学校、地元企業団体による「高等学校就職問題検討会議」等が設けられ、1人1社ではなく、期日を決めて複数企業に同時に応募できることや、学校間で求人情報を共有するなど、地域の実情に応じた対応策が取られるようになってきています。
このように、各都道府県によってスケジュールの流れや応募・推薦が可能な企業数に違いがあるため、自分が就職を希望する企業が所在する都道府県の状況については、先生に相談するなどして必ず事前に確認しておきましょう。
(資料:ライセンスアカデミー『進路のてびき2019 就職・公務員編』/平成30年5月12日発行)