受験から入学するまでには、「受験費用」や「初年度納入金」(「入学金」「授業料」「施設・設備費」等)、「生活準備金」など、さまざまなお金が必要となります。
例えば、受験時には「受験料」や「交通費」、場合によっては「宿泊費」などがかかり、合格発表後から入学までの間には入学手続のための納入金が必要です。さらに、第一志望校の合格発表以前に併願校の入学手続の期限が設定されている場合には、入学する権利を確保しておくために、併願校への入学金等の納入が必要になるかもしれません。
近年は、他大学等との併願者が入学手続後に入学を辞退した場合、多くの学校で納入金を返金するようになっています。ただし、全額返金ではないので、それらの出費に備えておかなければなりません。また、返金は事前申請などにより適用されるので、必ず各校の制度を確認しておきましょう。
入学前後には思っている以上の費用がかかります。進学を目指す場合には、どの時期にどれくらいの金額が必要になるのかを把握し、計画的に資金を準備するように心がけましょう。
進学に当たって必要となるお金は学費だけではありません。
例えば、受験する際の受験料はもちろん、受験地が遠方の場合は、受験会場までの交通費や宿泊費も必要となります。
また、複数の学校を受験する場合は、その分だけ費用もかかりますので、事前にどれくらいの金額になるかを把握しておくことが必要です。
卒業までに必要な学費は、国・公・私立の別や学部・学科により当然異なりますが、私立大学文科系の場合は4年間で約424万円、短期大学は2年間で約229万円が平均でかかります。
一回に納付する金額としては、入学手続き時の納入金が最も大きく、一般的に「入学金」+「前期授業料」+「施設・設備費」「実習費」等を含む「諸経費」が必要となります(入学手続き開始は合格発表日の数日後から。学校により異なるため注意)。1年次後期および2年次以降は、多くは「授業料」+「諸経費」の支払いが必要になります。
例えば、約460万円の学費がかかる4年制私立大学の場合を考えてみましょう。入学金が26万1,000円で、その他にかかる主な費目は、授業料86万5,000円と施設・設備費18万6,000円、実験実習費3万5,000円です。入学金以外を前期・後期の分納と想定すると、入学手続き時の納入金額は54万3,000円、入学金を含めると80万4,000円になります。
施設・設備費と実験実習費は、後期分のほうが少ないケースが多いようですが、ゼロではなく、後期の授業料と共に、所定の時期に払い込みます。従って学費の納付は「入学手続き時の納入金」と、「半年ごとの納入金」をどうするのかがポイントになります。
学費のほかにかかるのが生活費です。入学準備にかかる費用や入学以降に必要となる生活費は、自宅から通学するか否かにより、かなりの差が生じます。
一人暮らしの場合、その準備にもお金がかかります。引越し先を探すための交通費や滞在費、家賃、敷金や礼金、不動産業者への仲介手数料(あっせん手数料)、生活用品の購入費、引越し代なども必要です。
進学する際に困らないように、必要となる費用をあらかじめチェックして、しっかりとした生活費調達計画を立てておきましょう。
(資料:ライセンスアカデミー『大学・短大 進路のてびき2019 東日本版』/平成30年5月26日発行)