入試の種類 ◆ 私立大学 一般入学試験

入試の主流は「3教科型」だが、「2教科以下」のケースも

私立大学の一般入試は、3教科型が中心です。ただし、最近では2教科以下の入試を行う大学も増えています。

文系学部は、3教科の場合、外国語と国語が必須で、地歴・公民・数学から1教科を選択する方式が中心。2教科の場合は、外国語が必須でほかの1教科を選択するか、任意の2教科を選択するパターンが主流になっています。

理系学部は、数学・理科・外国語の3教科が基本。2教科の場合は、数学と外国語か、数学が必須で理科・外国語から1教科を選択するパターンが多くなっています。配点は各教科均等配点のほか、特定の教科の配点を重視する傾斜配点を採るケースもあります。

なお、受験教科数が少なくなると、合格最低点の得点率が高まることや受験生が集中して高倍率になる場合が多いことも知っておきましょう。

基本は、「自分に合った入試方式を選択する」

私立大学の一般入試は、年々多様化が進んでいます。一つの大学・学部であっても複数の入試方式を受験でき、併願が可能となる「複線入試」を導入しているところがほとんど。

「A日程」「B日程」などと日程を分けて実施する場合や、受験教科が複数パターンある入試、学外の会場で実施される入試など、その内容はさまざまです。

特にここ数年、「大学入試センター試験利用入試」を実施する大学・学部が増加しており、複線入試の主流になっています。

この入試方式は、
①国・公立大学との併願がしやすい
②センター試験受験だけで複数の私立大学に出願できる
③一般入試と比較して受験料が安い
などのメリットがあります。

そのほか、全学部が共通の日程・問題で入試を実施する、「全学部統一入試」を導入する大学も増えています。学部ごとの通常の入試とは別日程で行われるため、受験機会が増えるという利点があります。

受験生が都合の良い試験日を選べる、「試験日自由選択制入試」という制度もあります。志願大学が複数の場合は、試験日の重複を避けることができ、併願のチャンスが拡大します。

このように私立大学では多様な受験機会を用意していますが、その分だけ仕組みは複雑化して分かりにくくなっています。

合格のチャンスを逃さないためには、志望校の募集要項を正確に読み込み、早めに無理のない受験プランとスケジュールを立てる必要があります。

バラエティー豊かな「一般入試」の方式

※「名称・形式」および「内容」は代表的なものの一例です。

【3教科型入試】
私立大の一般的な学力選抜方法。募集人員が多いため、その分合格者も多い。試験科目は文系学部が外国語・国語・選択科目(地歴・公民・数学から1 教科を選択)を、理系学部が数学・理科・外国語を課すパターンが基本となっている。

【得意科目重視型入試】
不得意な科目を避け、実力を発揮しやすい自分の得意科目を活かせる選抜方式。得意科目の配点比率を高めたり、高得点の科目のみの点数で合否判定を行ったりするといった方法がある。ただし、その科目を得意とする受験生が集まるため、高倍率になる場合も。

【大学入試センター試験利用入試】
大学入試センター試験の成績を利用する試験。ほとんどの大学は自学独自の「個別試験」を行わず、センター試験の成績で合否が決まる。また、センター試験の受験だけで複数の大学・学部に出願でき、国・公立大との併願がしやすいといったメリットもある。

【試験日自由選択制入試】
同じ学部・学科で2日間以上の試験日を設定し、その中から受験生が都合のよい日を選んで受験できる。すべての試験日で同じ学部・学科を受験することが可能な大学もある。併願校の試験日とのバッティングを避けることができる恩恵に与れることも。

【全学部統一入試】
一つの大学の全学部・学科が共通する試験問題を用いて、同じ日に一斉に行う選抜試験。一度の受験で複数の学部・学科に出願することができる。ただし、文系学部と理系学部では試験内容や実施日が異なる場合があるため、その点には注意が必要。

【学外入試(地方入試)】
大学の所在地以外の試験場で行う選抜試験。自宅から最寄りの試験場を選んで受験することができるため、交通費や宿泊代などの費用の軽減が期待できる。大学で実施する試験日と別の日程であれば、複数回の受験が可能となる。

(資料:ライセンスアカデミー『大学・短大 進路のてびき2019 東日本版』/平成30年5月26日発行)

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