入試の種類 ◆ AO(アドミッションズ・オフィス)入学試験

受験生の可能性を評価

「AO入試」は、その大学で学びたいという学習意欲や学びに対する適性、個性・能力など、受験生の“これから”の可能性を評価する入試です。

選考基準となるのは、大学・短期大学または学部・学科が提示する「アドミッション・ポリシー(入学者受け入れ方針)」に基づいた「求める学生像」で、その内容は募集要項などに記載されています。

そこで示されている「求める学生像」と、入学志望者自身がその大学や学部・学科等で学びたいことが合うかどうかが、合否を分けるポイントとなります。

AO入試を実施する大学の数は年々増加し、平成29年度は、554大学(国立54・公立26・私立474)、1,455学部で実施されました。

私立大では全体の81.3%、国立大でも65.9%の大学がAO入試を導入しています。

また、短期大学では公立・私立合わせて266校で実施されています(私立短期大学は85.9%が導入)。

時代に合わせて変化するAO入試

学習意欲や適性を評価するAO入試では、従来、学力についてはあまり問われてきませんでした。

しかし、入学後の学力不足が問題となり、平成23年度よりAO入試選考に基礎学力の把握が必要となりました。

そのため、出願時の調査書において出欠状況、特別活動の記録などに加え、教科の評定平均値の提出を求める大学が増加しています。

ほかの入試方法と比べて、一般的に基準は緩やかであるとされていますが、以前とは異なり、一定レベルの学力が必要とされる入試になっていることには注意が必要です。

また近年、国・公立大学や難関私立大学では、AO入試の募集枠や実施方法を見直す動きもあるため、今後の動向を注視しておきましょう。

AO入試が行われる時期は学校・学部によって異なります。

早いケースでは6月頃からエントリーの受付を始め、8月1日より出願受付を開始。

その後、いくつかの試験を経て8~10月に合格という流れになります。

AO受験を考えている場合には、志望校の入試日程をしっかりと確認し、早めの準備を心がけましょう。

代表的な選考パターン

※学校によって受付が始まる時期や入試の手順、選考方法は異なるため、必ず志望校の募集要項等で確認してください。

■論文重視タイプ
国・公立大学、難関私立大学に多く、論文により基礎学力と自己表現力をチェックするタイプ。

第1次審査終了後、模擬講義を実施し、レポート提出やグループディスカッションを行うケースもある。

■自己推薦タイプ
自己推薦入試や特別(ユニーク)推薦入試のカタチを変えたタイプ。実績や取得資格、面接を重視して総合的に評価をする。

高校からの推薦は不要で、他校との併願が認められるケースも少なくない。

■対話重視・予備面談タイプ
受験生と学校の相互理解に重点を置くタイプ。双方がアドミッション・ポリシーと将来の目標について面談(面接)で確認できる。

受験生は自己アピールしやすく、学校はアドバイスにより受験生を導く機会が得られる。

『AO入試 用語解説』を読む!

(資料:ライセンスアカデミー『大学・短大 進路のてびき2019 東日本版』/平成30年5月26日発行)

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