音楽系の専門学校と音大の違いは何ですか? あと僕は楽器はギターしかできないんですが、音大の入試のために何を勉強する必要がありますか?
まずは専門学校と音楽大学の違いからお答えします。
かなりおおざっぱに言ってしまうと、専門学校は専門的、技術的な勉強をする学校、大学は学問としての音楽を深めていく学校となります。
具体的な例を挙げてみますと、専門学校のヴォーカル科に入学した場合、オーディションに対応するためのヴォイストレーニングや歌唱実技などの実技がメインの授業になります。それに対して音楽大学では、実技はもちろん「この曲はこういう構成で成り立っている」というような、理論的に音楽を追究していくような授業も行います。
具体的にどんな違いがあるのか、どんな勉強をするのか知りたい場合は、音楽系の学校の公式サイトを見て比べてみることをおすすめします。音楽系の学校の公式サイトの場所は、進路ナビの学校検索で調べることができますので、ぜひ利用してみてください。音楽大学の入試に関しても、気になる学校の入試情報をチェックしてみてください。
一般には、音楽大学の受験では、以下のような内容の試験が行われることが多くなっています。
・専攻科目の実技試験
ピアノ科ならピアノ演奏、声楽科なら歌唱など、専攻する科目の実技試験が行われます。
・鍵盤楽器
ピアノ科、オルガン科などのように鍵盤楽器を専攻科目としている科目以外で行われます。ピアノや電子オルガンなど鍵盤楽器の実技試験が行われます。
・楽典
音程、音階、和音など音楽の基礎知識の試験です。
・ソルフェージュ
聴音、新曲視唱などが行われます。聴音はメロディを聞いて、それを五線譜の上に書き取る試験です。新曲視唱は渡された譜面を見て、譜面通りに歌う試験です。
・一般教養科目
学校によっては実技試験のほかに、国語、外国語、小論文などの筆記試験が行われる場合があります。ただ、音楽大学の場合は、普通、一般教養科目の配点は低く、実技で合否が決定されることの方が多いようです。
このように、ギター関連の学科を目指す場合でも、鍵盤楽器の実技試験は課されますので、ある程度は鍵盤楽器の演奏に習熟している必要が出てきます。
これらの実技試験に対応するため、音楽大学を目指す受験生の多くは、学外の音楽の先生に付いて専門の勉強をしています。また、音楽大学を受験する場合、志望大学の教授の個人レッスンを受けるのが一般的ですので、師事している音楽の先生のつてをたどるなどして、志望大学の教授に個人レッスンを申込む必要もあります。
学校で身につけることができるのは、あくまで歌手になるための「技術や知識」です。それを最大限いかして、歌手になるための道を切り開いていくのは自分自身です。ですから、まず、自分がどんな歌手になりたいのかをイメージしてみてください。ただ歌手になりたい、ではなく、「こんな歌手になりたい」というイメージを、漠然とでも、持っていますよね?それに近づくためにはどんな勉強が自分には必要なのか、進学先を選んだらいいのかというふうに考えてみてください。
音楽は、もちろん技術や知識は必要ですが、他にも大切なことがたくさんあります。繰り返しになりますが、自分がどんな歌手になりたいかをイメージして、それに向かって、少しずつでも進んでいってほしいと思います。(大滝)
2005年10月更新