英語と保育の勉強ができる専門学校で保育士の資格を取り、将来は海外で保育士をしたいと思っています。 日本の保育士資格だけで、海外で働くことはできますか? それとも特別な資格が必要なのでしょうか? イギリスやスイスのようなヨーロッパ諸国か、アメリカ、カナダなどで働ければと思っています。
日本の保育士免許は、あくまでも日本国内でのみ有効な免許ですので、そのままでは海外で使用することはできません。就業先の国で免許の書き換えができる場合もあれば、現地の大学や専門学校に通ってその国の保育士免許を取得しなければならない場合もあります。
例外として、日本人駐在員の子女を対象とした日系の保育園であれば、日本の保育士免許でも働くことができますが、海外で働く、ということとは少し違うかもしれません。
また、海外の多くの国、特に欧米諸国などでは、外国人の就業が制限されているため、現地で保育士として働くのが難しい場合も多いと思われます。
保育士免許の扱いや求人状況については、国毎に差違がありますので、インターネットを利用するなどして、あなた自身で調べてみましょう。
例としてイギリスの場合を挙げてみます。
イギリスで保育士として働くためには、イギリスの幼児教育専門の学校で1~2年間勉強をし、Nursery teacher(幼稚園・保育園の先生)の資格を取る必要があります。この資格を取った上でイギリスの幼稚園や保育園に保育士として採用してもらい、園側から申請される労働ビザに許可が出れば保育士としてイギリスで働けます。
ただし、一般的に労働ビザの申請には条件がつけられるため、簡単にはビザを発行してもらえないのが現状のようです。
最長5年の就労ができ延長も可能な「フルワークパーミット」の場合であれば、「EU内では満たせない役員レベルや専門職のポスト、イギリスに雇用と投資をもたらす新職種、イギリスにおいて人手が不足している職種のいずれかであること。」となっていますので、現地の雇用状況によっては、日本人が保育士として働くことは難しくなります。
また、日本の企業とは異なり、海外企業では即戦力となる経験者が優先して採用されますので、よほど特別な技能を持っていない限りは、新卒の状態で現地の企業に就職するということは難しいでしょう。
そういったことを考えますと、まずは日本の保育系の学校に進学をし、保育士資格を取って、日本国内で十分に保育士としての経験を積んでから海外で働くことを目指した方が良いと思います。
25歳~30歳くらいまでなら、ワーキング・ホリデーという形で、短期間、海外で幼児教育に携わることもできると思いますので、そのような形で、自分の適性を計ってみても良いでしょう。
2016年11月更新