私は将来、アニメーター、中でも「彩色」の分野で働きたいと考えています。 調べてみたところ、目をつけていた大学では、主に「作画」を勉強するということで、「彩色」がメインに学べる専門学校も気になっています。 ですが、美術の先生からは、「専門学校はやめた方がいい、もしどうしても専門がいいなら、よく調べて学校を見極めろ」と言われました。 アニメの「彩色」の仕事を目指す場合、大学と専門学校のどちらに進むべきなのでしょうか。 また、専門学校で真面目に勉強したとして、ちゃんと職につけるのでしょうか? 「作画」分野の話は色々聞くのですが、「彩色」分野の話はあまり耳にしませんので、きちんと就職サポートをしてもらえるのかどうかが不安です。
アニメ業界に進むのに、学歴はほとんど関係しませんので、大学と専門学校のどちらかが絶対的に有利になるようなことはありません。
ただ、美術の先生がおっしゃる通り、アニメ系の学校の中には、公的な認可を受けておらず、カリキュラムの妥当性が保証されていない学校も紛れていますので、進学を検討する場合は、学校パンフレットを取り寄せたり、オープンキャンパスや体験入学に参加したりするなどして、学校情報を事前によく調べておくことをおすすめします。
就職サポート体制や、カリキュラムの内容などの疑問点については、オープンキャンパスなどの席で、直接、学校関係者に質問して、解消していってもよいでしょう。
個人的な意見としては、「彩色」に必要となる技術はそれほど高度なものではありませんので、大学で「作画」技術を学びつつ、独学でアニメの「彩色」について学んでいってもよいと思います。
美術系の大学で、色彩理論を学んだり、色彩センスを磨いたりしておけば、後々、色指定などの職種にステップアップする際にも役立つと思います。
アニメの「彩色」の仕事ですが、一般的には「仕上げ」という名称で、動画検査や特殊効果などの仕事とまとめて扱われることが多いようです。
現在では、日本国内でセル画が生産されていないこともあり、セル画に絵の具で彩色するような仕事はほとんどなくなっています。
ほとんどのアニメ制作会社やスタジオでは、RETAS STUDIOやAnimoのようなアニメ制作用のソフトを使って、パソコン上で動画のスキャンや彩色を行っています。
RETAS STUDIOであれば、4万円弱と、学生でも手が届く金額で販売されていますので、パソコンや周辺機器の環境を整えれば、独学でも使い方を学べると思います。
ただ、他のアニメ関連の仕事と同様、彩色の仕事も収入面ではあまり恵まれていません。一般企業に勤める大卒の正社員と比べると、かなり低い給料で働くことになると思いますので、その点は覚悟しておく必要があります。
また、就業時間も変則的な場合が多く、13時~15時くらいに出社して、真夜中まで仕事をするような生活パターンも珍しくありません。そのため、会社の近くにアパートを借りたり、バイクなどの「足」を持っておくなどしないと、仕事に支障をきたすことがあります。
なお、彩色の仕事だけでは、すぐに収入が頭打ちになると思われますので、将来を見越して、特殊効果や色指定などの仕事もできるように技術を磨いていくとよいでしょう。
2012年10月更新