私はイラストレーターとゲームグラフィッカーのどちらかの仕事に就きたいと思っています。 イラストレーターとゲームグラフィッカーではどちらの方が自分の絵を描けますか? またこの職業の決定的な違いがあれば教えて下さい。
「自分の絵を描く」ということが具体的にどういうことを指しているのかがはっきりとしませんので、とりあえず「自分の得意とする絵柄で絵を描く」ことだと仮定して回答をさせていただきます。
結論から言えば、経験を積んで画力を磨き、上司を含む周囲の人たちから実力を認められれば、どちらの職業でも自分の絵を描くことができる可能性は高くなります。
どちらの方がより早く自分の絵を描けるか、といえば、これはイラストレーターになるでしょう。ただし、あくまでもクライアントがコルさんの得意とする絵柄を気に入った場合に限り描けるという形になりますので、常に自分の絵が描けるとは限りません。
そのため、イラストの仕事を目指すのであれば、様々な絵柄を描けるようにしておいた方が良いです。美術画的なリアルな絵、アニメ・漫画的な絵、ポップな感じの絵、デフォルメ絵、ヘタウマ調の絵、絵本的な雰囲気のファミリー向けの絵など、クライアントの注文に合わせて器用に絵柄を変えていく臨機応変さがプロのイラストレーターには必要とされます。
クライアントから「そんな絵柄ではなく、○○さんみたいな絵柄は描けないの?」と言われたりすることもありますので、そういう時でもにっこり笑って「分かりました」と答えられる忍耐力も必要です。
イラストレーターとゲームグラフィッカーとでは、仕事内容や使用するツールなども大きく変わりますので、両者の違いはかなり多くなります。分かりやすく箇条書きにして書きますと、
○イラストレーター
・勤務先:デザイン事務所、フリーランス
・使用ツール:Illustlator、Photoshop、Painterなど。場合によってはinDesignなどのページレイアウトソフトを使うことも。
・仕事内容:クライアントの発注を受けてイラストやポスター、チラシなどを作成する。
○ゲームグラフィッカー(2D)
・勤務先:ゲーム開発会社
・使用ツール:Illustlator、Photoshop、After Effects、Painter、ドット絵作成ソフトなど。
・仕事内容:ゲーム中に使用されるユーザーインターフェイス用のパーツ類(ボタンやデザイン文字など)や3Dモデル用のテクスチャ、背景画やキャラクター絵、ドット絵などを作成する。基本的には動く絵を作るため、動きに対する感性も必要とされる。ムービー作成ソフトを使える人であれば、ムービーの編集を担当することもあり。経験を積み、実力がついてくればキャラクターデザインなどを任される可能性も。
○ゲームグラフィッカー(3D)
・勤務先:ゲーム開発会社
・使用ツール:Softimage、Maya、3ds Max、Lightwave3Dなどの3D統合環境ソフト(会社によってどのソフトを導入しているかは異なります)Photoshopなど。
・仕事内容:ゲーム中に使用される3Dモデルのモデリング、モーション作成、エフェクト作成。基本的には動く絵を作るため、動きに対する感性も必要とされる。会社によっては3Dモデル用のテクスチャも自分で作らなければならないこともあり。
といった感じになります。
基礎能力として、共通して必要とされるのは、デッサン力や色彩感覚といった画力になりますが、実際の仕事内容はかなり違うことが分かると思います。(すぎもと)
2008年06月更新