将来は国際線のパイロットになりたいんですけど、いい専門学校や大学校があったら教えてください。
パイロットになるためには、まず「自家用操縦士、事業用操縦士、定期運送用操縦士」という3種類の資格を取得しなければなりません。そして、航空会社の定期便の機長となるには、操縦士の中で最上位の「定期運送用操縦士」の資格が必要です。一般的には、自家用操縦士から順に上位の定期運送用操縦士の資格を取得していくことになります。また、旅客機のパイロットになるには、航空会社が募集している自社養成パイロットになる方法と、航空大学校に入学し、卒業後に各社の就職試験を受けて採用されるという方法があります。
ある航空会社の公式サイトによると、自社養成パイロット(運航乗務員訓練生)は、2年半の養成訓練で、厳しい学科訓練と実機訓練を繰り返しながら、パイロットとして不可欠な知識や技能を修得し、上記の資格の取得を目指します。応募資格に、「4年制大学または大学院を卒業・修了見込みの方」とありますので、まず大学に進学する必要があります。
航空大学校への入学は、
「学校教育法による4年制大学に2年以上在学し、全修得単位数が62単位以上の者」
「学校教育法による短期大学又は高等専門学校を卒業した者」
「専修学校の専門課程の修了者に対する専門士の称号に関する規程による専門士の称号を付与された者」
という出願資格があるため、こちらも高校卒業してすぐには入れません。また、こまかい身体検査基準や年齢制限もありますので、詳しくは公式サイトを見てみてくださいね。
ちなみに、航空大学校の受験に際し、どこの大学またはどの学部が有利というものはありません。これは航空大学校の公式サイトの「質問と回答」というところにあった情報ですが、「入学する学生に期待することは、航空機の操縦技量の修得だけでなく、将来機長となるために必要な幅広い知識を修得しようとする意欲と自分の身体について健康管理能力を持つこと。大学や学部は、自分の考え、信念に基づいて選択してください。(抜粋)」とありました。ですので、あまり学部・学科にとらわれることなく、健康な身体と強い志を持っていることが大事なのではないでしょうか。
また、航空関係の専門学校は、卒業してすぐ旅客機のパイロットになれるわけではありませんが、事業用操縦士免許・計器飛行証明航空無線通信士といった資格が取得できる「操縦科」などの学科をもつ学校もあります。こちらは高校を卒業してすぐ入学できるので、近道かもしれません。それからこれはプチ情報ですが、2007年の団塊世代の退職に伴うベテランパイロットの不足を補うべく、これからパイロットの需要は高まっていくそうです。
旅客機のパイロットは、体力はもちろん、精神力や責任感が求められる仕事です。華やかな印象の裏には、厳しい面もあるということを忘れずに、強い意思をもって頑張ってくださいね。(みつはし)
2006年11月更新