試験合格へのカギを握っているのは、入試についてしっかりと理解できているかどうか。学校案内やウェブサイト、募集要項等に掲載されている入試情報を徹底的に読み込み、その特徴や仕組みを理解することが、合格への一歩となるはずです。入試日程や入試科目を入念に確認して、自分に合った効率のよい受験プランを組み立てるようにしましょう。
受験を乗り越えるために知っておくべきことはたくさんあります。「志望大学の入学試験をとにかく受ければ良い」と思っていると、せっかくのチャンスを逃してしまうかもしれません。
多くの場合、同じ一般選抜でもいくつかの方式があり、受験科目の数や配点の違い、入試の時期の違いなどがあります。また、大学入学共通テストの結果を利用して受験できる私立大学もあります。
第一志望の大学だけではなく、併願校の入試情報についても詳しく把握し、自分の力をより発揮できるように対策を練りましょう。
同じ一般選抜でもさまざまな入試方法があります。3科目で受験できる場合や2科目で受験できる場合、また全学部共通の「全学部統一入試」を設けている大学もあります。さらに、日程も複数用意されていることが多くありますので、より負担が少なく臨める入試方法を見極めましょう。
初めに受験したい大学の入試日程が、第一志望・第二志望で重複しないかをチェックしておこう。連日の受験も消耗するので注意。複数学部を受験する場合や入試日程が重なる場合は、全学部共通の「全学部統一入試」を活用するのが効率的。しかし各学部の独自入試のほうが得意科目を活かせる場合が多いため、日程だけではなくそれぞれの入試方式の特徴も確認しておこう。
大学入学共通テスト(以下、共通テスト)の結果により私立大学を受験する方式。国・公立大学を目指している人や、試験会場から遠い場所に住んでいる人にとっては嬉しい入試。ただし、共通テストを受ける前に出願しなければならない場合と入試後に出願する場合があるので注意が必要。
せっかく合格できたとしても、手続きの締切日までに入学金等を用意できなければ入学することはできない。第一志望校の合格発表日より併願校の手続き日が早い場合は、第一志望の結果を待たずに入学金を納入する必要に迫られる。特に国・公立大学を目指す人は注意。
入試科目は大学・学部によって異なります。さらに同じ学部内でも、学科ごとの求める能力によって配点に差がある場合もあり、入試科目は大学のアドミッションポリシーを反映していると言えるでしょう。自分の得意科目としっかり照らし合わせましょう。
国・公立大学の多くは5教科7科目。私立大学は3科目で受験できる大学が主流。3科目中、すべての科目が指定されている場合と希望の科目を選択できる場合があるため、得意科目・不得意科目の扱いを確認しよう。3月期の入試は科目数が減る傾向がある。
多くの大学が英語を必須科目にしている。加えて、文系学部で国語、理系学部で数学を必須にしている場合が多い。ただしその内容として国語に漢文が含まれる場合とそうでない場合、また数学はⅡ・Bの範囲までで良い場合とⅢ・Cの範囲まで含まれる場合とがあるため、自分の勉強してきた範囲とズレがないかを確認しよう。
さらに選択科目にも注意。文系学部でも数学が選択できる場合や、理系学部で国語が選択できる場合がある。途中で分野を変更した人や分離融合型の学びを得意とする人には有効だ。
すべての科目が同じ配点であれば、それぞれの科目の扱いは同等になる。一方、特定の科目の比重を大きくしたり小さくしたりすることを「傾斜配点」と言う。例えば英語を学ぶ学科では、英語の配点が他の科目より大きいことがある。こうした場合は英語が得意な人が有利になり、国語の配点が高ければ国語が得意な人が有利となる。自分の得意科目の配点が小さくなっていないか注意しよう。
また、共通テストの配点にも注意が必要。共通テストの基本的な配点と異なり、各大学の重視する内容に合わせて設定されている場合があるため、自己採点が良かった場合でも油断せずに確認しよう。
すべての科目の配点を合計した最大値が満点。満点の数字が大きいほど、一つの解答の重みが大きくなる。特に国公立を目指す人は、共通テストの満点と二次試験の満点の比率を確認し、共通テスト重視なのか二次試験重視なのかを見極めよう。