大学入学共通テスト(共通テスト)は、国・公立大学の一般選抜志願者が原則として受験しなければならない試験です。「高等学校段階における基礎的な学習の達成の程度を判定すること」が主な目的であるため、多くの私立大学の入試においても利用されています。ここでは、共通テストとはどういうものかを見ていきます。
大学入学共通テスト(共通テスト)は、大学入試センター試験※1の後継として導入される予定の全国共通の試験です。
「大学入学志願者の高校における基礎的な学習の達成度を判定すること」を目的としており、解答は、解答用紙を鉛筆で塗りつぶすマークシート方式ですが、将来的には記述式の導入も予定されています。また、「出題教科・科目」については6教科30科目で同じですが、「数学Ⅰ」・「数学Ⅰ・A」の試験時間、「英語」の出題内容や配点、「理科」の選択問題などで違う部分があるため「出題教科・科目」は事前にしっかり確認しておきましょう。
国・公立大学の一般選抜の合否は、ほとんどの大学で共通テストと各大学が実施する個別試験の2段構えで決定されます。そのため基本的には全員が受験しなければなりません。また、学校推薦型選抜や総合選抜において共通テストを課す学校があります。
私立大学でも共通テスト利用型選抜を実施する大学は多くなるものと考えられます。令和2年度入試では私立大学の9割にあたる533大学がセンター試験を利用。短期大学は152校(私立は139校)が利用しています。また志願者数は557,699人、平均受験科目は5.5科目※2現役志願率は43.3%となりました。
「受験案内」の配布
2020年9月1日~
共通テスト出願
2020年9月28日~10月8日
在籍している高校経由
共通テスト受験 第1日程
2021年1月16日(土)・17日(日)
共通テスト受験 第2日程
2021年1月30日(土)・31日(日)
※第1日程の追試験として実施
自己採点
新聞などに発表される正解、配点を見て自分で採点を行い、2次試験等の出願先や今後の方向を考える
個別試験(2次試験)出願
2021年1月25日(月)~2月3日(水)
自己採点の結果をもとに受験校を決める
2次試験
・前期日程
・中期日程(公立大学のみ)
・後期日程
合格発表
共通テスト利用型選抜を実施している大学に出願
共通テスト受験前の出願と共通テスト受験後の出願がある
合格発表
共通テスト終了後、どの大学に出願するのかについては、国・公立大学では受験後の自己採点を済ませてから決めることができます。一方、私立大学の中には、共通テスト前に共通テスト利用入試の出願を締め切ってしまうところもあるため、事前に出願期間についてよく確認しておく必要があります。
※共通テスト第2日程の特例追試験について
疾病、負傷等、やむを得ない事情により、共通テストを受験できなかった人に対して2021年2月13日(土)・14日(日)に追試験が行われます。
大学入学共通テストには、センター試験と同じく6教科30科目が設定されていますが、出題傾向には変化があると思われるため注意しましょう。
国・公立大学では基本的に5(6)教科7科目が課されます。
私立大学において課されるのは3教科が多く、共通テストの成績だけで合否を判定する試験はもちろん、共通テストと個別試験の併用など、多様な試験が実施されることが予想されます。
なお、共通テストの実施方法や時間割、試験場、出願手続き、あるいは検定料や成績提供、経費等に関する詳しい要項については、令和2年6月30日までに公表することになっています。
教科 | グループ | 出願科目 | 試験時間 (配点) |
出題方法等 | 科目選択の方法等 |
---|---|---|---|---|---|
国語 | 『国語』 | 80分 (200点) | 「国語総合」の内容を出題範囲とし、近代以降の文章、古典(古文、漢文)を出題する。 | ||
地理 歴史 | 「世界史A」「世界史B」 「日本史A」「日本史B」 「地理A」「地理B」 | 1科目選択 60分(100点) 2科目選択 解答時間120分 (200点) | 『倫理、政治・経済』は、「倫理」と「政治・経済」を総合した出題範囲とする。 | 左記出題科目の10科目のうちから最大2科目を選択し、解答する。ただし、同一名称を含む科目の組合せで2科目を選択することはできない。なお、受験する科目数は出願時に申し出ること。 | |
公民 | 「現代社会」「倫理」 「政治・経済」 『倫理、政治・経済』 | ||||
数学 | ① | 「数学Ⅰ」 『数学Ⅰ・数学A』 | 70分 (100点) | 『数学Ⅰ・数学A』は、「数学Ⅰ」と「数学A」を総合した出題範囲とする。ただし、次に記す「数学A」の3項目の内容のうち、2項目以上を学習した者に対応した出題とし、問題を選択解答させる。 〔場合の数と確率、整数の性質、図形の性質〕 | 左記出題科目の2科目のうちから1科目を選択し、解答する。 |
② | 「数学Ⅱ」 『数学Ⅱ・数学B』 『簿記・会計』 『情報関係基礎』 | 60分 (100点) | 『数学Ⅱ・数学B』は、「数学Ⅱ」と「数学B」を総合した出題範囲とする。ただし、次に記す「数学B」の3項目の 内容のうち、2項目以上を学習した者に対応した出題とし、問題を選択解答させる。 〔数列、ベクトル、確率分布と統計的な推測〕 『簿記・会計』は、「簿記」及び「財務会計Ⅰ」を総合した出題範囲とし、「財務会計Ⅰ」については、株式会社の会計の基礎的事項を含め、「財務会計の基礎」を出題範囲とする。 『情報関係基礎』は、専門教育を主とする農業、工業、商業、水産、家庭、看護、情報及び福祉の8教科に設定されている情報に関する基礎的科目を出題範囲とする。 | 左記出題科目の4科目のうちから1科目を選択し、解答する。 ただし、科目選択に当たり、『簿記・会計』および『情報関係基礎』の問題冊子の配布を希望する場合は、出願時に申し出ること。 | |
理科 | ① | 「物理基礎」「化学基礎」 「生物基礎」「地学基礎」 | 2科目選択 60分(100点) | 左記出題科目の8科目のうちから下記のいずれかの選択方法により科目を選択し、解答する。 A:理科①から2科目 B:理科②から1科目 C:理科①から2 科目および理科②から1科目 D:理科②から2科目 なお、受験する科目の選択方法は出願時に申し出ること。 | |
② | 「物理」「化学」 「生物」「地学」 | 1科目選択 60分(100点) 2科目選択 解答時間120分 (200点) | |||
外国語 | 『英語』『ドイツ語』 『フランス語』『中国語』 『韓国語』 | 【英語】【リーディング】80分 (100点) 【リスニング】解答時間30分(100点) 『ドイツ語』『フランス語』『中国語』『韓国語』【筆記】80分 (200点) | 『英語』は「コミュニケーション英語Ⅰ」に加えて「コミュニケーション英語Ⅱ」および「英語表現Ⅰ」を出題範囲とし、「リーディング」と「リスニング」を出題する。なお、「リスニング」の問題音声が流れる回数は1回読みのものと2回読みのもので構成する。 | 左記出題科目の5科目のうちから1科目を選択し、解答する。ただし、『ドイツ語』、『フランス語』、『中国語』および『韓国語』の問題冊子の配布を希望する場合は、出願時に申し出ること。 |
※ 地理歴史および公民並びに理科②の試験時間において2科目を選択する場合は、解答順に第1解答科目および第2解答科目に区分し各60分間で解答を行うが、第1解答科目および第2解答科目の間に答案回収等を行うために必要な時間を試験時間とする。
※ リスニングは、音声問題を用い30分間で解答を行うが、解答開始前に受験者に配付したICプレーヤーの作動確認・音量調節を受験者本人が行うために必要な時間を加え、試験時間は60分とする。
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