大学入試の基礎知識 国公立大学個別試験(2次試験)

国・公立大学の一般選抜は、大学入学共通テストと各大学が個別に実施する2次試験で合否が決定します。大学入学共通テストが終わると、多くの場合、自己採点結果をもとに2次試験への出願が始まります。日程を分けて選抜を行う「分離・分割方式」であるため、日程ごとに出願校を変えたり、逆に同じ大学を続けて受けることも可能です。ここでは、国・公立大学の2次試験がどのような日程で行われるのか、試験方式の内訳、併願のパターンなどをご紹介いたします。

前期日程が勝負のカギ

国・公立大学の2次試験は日程と募集人員を「前期日程」「後期日程」に分けて行う「分離・分割方式」です。公立大学の一部では「中期日程」も実施しています。

「前期日程」は1~3教科の学力試験を課す大学が多く、記述式の問題がほとんどです。「後期日程」では、学力試験の教科・科目数を少なくし、総合問題、小論文、面接などを課す大学が主流です。

国立大学の志願者は、「前期日程」 で試験を実施する大学・学部から1つ、「後期日程」 で試験を実施する大学・学部から1つ、合計2つまでの大学・学部に出願し、受験することができます。公立大学の「中期日程」を加えると最大3回の受験のチャンスがあります。

ただし、「前期日程」の試験に合格し、所定の期日までに入学手続きを完了した場合、「中期日程」「後期日程」を受験しても「中期日程」「後期日程」の大学・学部の合格者とはなりません。募集人員も「前期日程」に多く振り分けられているため、第一志望の大学・学部への出願は「前期日程」で臨むのが妥当です。

また、志願者数が募集人員に対して一定以上を超えた場合、大学入学共通テストの成績によって選抜し、受験者を絞り込む「2段階選抜」を行う大学があります。大学入学共通テストの得点が合格ラインに満たなかった場合は、この時点で2次試験を受験できない=不合格になるため、志望校が2段階選抜を実施する場合は、できるだけ大学入学共通テストで高得点を取っておく必要があります。

試験方式の内訳(募集人員に対する割合)

試験方式の内訳(募集人員に対する割合)

募集人員の半数以上を前期日程で募集。また、学校推薦型選抜や総合型選抜の実施により、後期日程の募集枠は減少傾向に。「前期日程のみ」の入試を実施する大学・学部も難関大学を中心に増加。

□ 選抜実施要項
入学試験等に関する基本的な事項(募集人員、大学入学共通テストおよび個別試験の教科・科目、配点、また各試験における出願資格や日程など)が記載されている。7月末までに発表される。

□ 募集要項
日程や試験科目の詳細に加えて、試験会場や受験の際の注意事項、入学手続きの際の経費などが詳しく記載されている。願書など出願に必要な書類も含まれるため、志望大学のものは必ず入手したい。

令和3年度国・公立大学一般選抜の流れ

令和3年度国・公立大学一般選抜の流れ

合格のためのPoint確認

□ 第一志望は前期日程で受験しよう
前期日程の試験に合格し、入学手続を完了すると、「中期日程」「後期日程」に出願し受験をしても合格とはならない。また、募集人員は前期日程のほうが多い。

□ 前期日程と後期日程とでは個別試験の科目や出題形式が異なる
前期日程は、学力試験中心(1~3教科)。解答方法は記述式が主体。
後期日程は、学力試験の教科・科目数を少なくし、総合問題、面接、小論文などを課す大学が主流。

□ 併願の組み合わせ

(1)前期日程+後期日程
国公立大学の志願者は、前期日程に1大学、後期日程に1大学出願することができます。別々の大学を受験することもできますし、同じ大学を2回受験することもできます。
[併願の組み合わせ例]
○前期・後期に同じ国立大または公立大を受ける
○前期・後期に別々の国立大または公立大受ける
○前期に国立大、後期に公立大を受ける
※前期と後期で大学のタイプが逆のパターンも可能

(2)前期日程+中期日程
一部公立大学では中期日程を設定しています。この場合、前期日程に1大学、中期日程に1大学に出願することができます。併願のパターンとしては、前期日程に国立大学、中期日程に公立大学、前期日程・中期日程それぞれに別々の公立大学を受験することができますし、同じ公立大を2回受験することもできます。
[併願の組み合わせ例}
○前期・中期に同じ公立大を受ける
○前期・中期に別々の公立大を受ける
○前期に国立大、中期に公立大を受ける

(3)前期日程+中期日程+後期日程
この場合、前期・中期・後期の各日程で別々の大学を受験すれば、最大で3回の受験をすることができます。3回とも別々の大学を受けることもできますし、前期日程と後期日程に同じ国立大を受けて、中期日程に公立大を受けるなど2つの大学を受けることもできます。
[併願の組み合わせ例]
○前期に国立大を受けて、中期・後期に同じ公立大または別々の公立大を受ける
○前期・中期に同じ公立大または別々の公立大を受けて、後期に国立大を受ける
○前期・中期に同じ公立大を受けて後期に別の公立大を受ける
○前期・後期に同じ国立大または別々の国立大を受けて、中期に公立大を受ける
○前期・中期・後期にそれぞれ別々の公立大を受ける

(4)中期日程+後期日程
この場合、中期日程に1大学、後期日程に1大学に出願することができます。 また、中期日程・後期日程で同じ公立大を2回受験することもできます。
[併願の組み合わせ例]
○中期と後期に同じ公立大を受ける
○中期と後期に別々の公立大を受ける
○中期に公立大を受けて、後期に国立大を受ける

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