某国立大学の農学部への進学を希望しています。 ですが、理系教科の成績が悪いので、高校での文理選択では文系を選ぼうかと思っています。大丈夫でしょうか。
「大丈夫でしょうか」とのご質問ですが、何をもって“大丈夫”と見なすのでしょうか。
「入試で合格できるのか」でしょうか、「進学後、授業についていけるのか」でしょうか。それによって答えは微妙に変わってきます。
入試について言えば、志望されている学科の入試科目を確認してみた限りでは、文系選択からでも合格の目はあると思われます。
全教科的な学力が要求されるセンター試験は置いておくとして、学科の個別試験の科目が数学・理科から1科目選択ですので、暗記が通用しやすい生物や化学を選択すれば十分に対応可能でしょう。入試本番で十分な点数を取れさえすれば、文系選択であっても合格できるはずです。
進学後についてですが、こちらは志望学科のカリキュラムが参考になります。
公式サイトの情報を見る限り、“基礎”ではありますが、力学や統計学、経済学など、数学、物理の能力が必要になる講義が必修とされています。
高校レベルの数学、物理が十分に理解できていないレベルですと、これらの講義で苦労する可能性がありますので、今の内から理系科目の勉強に力を入れてみるとよいでしょう。
数学や物理は理解するのにコツが必要になることが多いので、可能であれば高校時代に履修しておく、それが無理なら、せめて科目担当の教師に質問ができるようにしておくことをおすすめします。
また、進学後の不安を減らすため、大学のオープンキャンパスの相談コーナーで、理数系の知識がどの程度必要なのか、大学でリメディアル教育(高校時代に未履修だった科目等の補習)が行われているのか、などを確認しておいてもよいと思います。
まとめると、入試だけであれば文系選択でも対応可能だと思われますが、進学後のことを考えると、やはり理系選択をしておいた方が無難だと思われます。
文転は楽だが理転は大変、と昔から言われていますので、まずは理系を選択しておいて、どうしても理数系の科目の成績が上がらないようなら文転を考えることにしてもよいでしょう。
いろいろと検討をして、悔いのない選択をしてみてください。
2016年09月更新