相談内容|ブックデザイナーかアニメの色彩設定になりたいけど……

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ブックデザイナーかアニメの色彩設定になりたいけど……

私は将来、ブックデザイナーかアニメの色彩設定をする人になるため、美術大学に入りたいと考えています。 ですが、収入や生活等を考えると、普通の大学に進んで一般的な仕事に就いた方がいいのでは?と思ってしまい、なかなか進路を決められません。どうすればいいでしょうか。

回答

 少々きついことを言えば、デザイナー職と一般職とを天秤にかけている時点で、デザイン系の進路には向いていないかもしれません。

 世の中には絵を描くこと、デザインをすることが大好きで、暇さえあればデッサンをしたり、作品を作ったりしている“美術馬鹿”“デザイン馬鹿”(褒め言葉です)がいくらでもいます。

 デザイン系の職業で成功するためには、そのような人達を押しのけて、頭角を現せるだけの能力と情熱が必要になりますので、「収入が低いのでは」「生活が安定しないのでは」と冷静に考えてしまう時点で向いていない可能性が出てくるのです。

 もちろん“美術馬鹿”でも「将来、大丈夫かな」と不安を感じることはあります。もしかしたら、今のあなたがそのような状態なのかもしれません。

 ですが、どれほど心配の種があろうとも“絵を描きたい”という想いにすべてが吹き飛ばされてしまう、そのような人でないと一流のデザイナーにはなれません。少なくとも、私が知っているデザイナーや漫画家は皆そのような人達でした。

 ですので、ブックデザイナーやアニメの色彩設計という職業に、ただ“憧れて”いるだけならば、普通の大学に進み、営業職なり、事務職なりに就く方が無難でしょう。

 一方、それらの職業にどうしても就きたいと考えており、親御さんや先生に反対されようとも、自分の夢を叶えたいという強い意志があるならば、美術系の進路を選んでしまってもよいと思います。

 ブックデザイナー(装丁者)を目指す場合は、美術大学か高い実績を持つデザイン系専門学校に進むとよいでしょう。ブックデザインの仕事はさほど多くなく、普段、別の種類のデザイナーをしている人が兼任することが多いため、本格的にデザインを学べる学校で技術や知識を身につけ、オールマイティに活躍できるデザイナーになる方がよいからです。

 アニメの色彩設定を目指す場合は、特に美術系の進路を選ぶ必要はありません。

色彩設定は、仕上げ(彩色・デジタルペイント)という仕事をしているアニメスタッフが経験を積んで就く職種となっていますが、この仕上げという職業には美術系の進路を選んでいなくとも就けるからです(ただし、求人はあまり多くないようです)。

 何はともあれ、まずはあなた自身の気持ちを確かめることから始めてみるとよいでしょう。

 その結果、どうしても美術系に進みたいということであれば、親御さんに相談をして、美術大学受験対策のための美術予備校の分も含む学費を出してもらえないかどうか、交渉してみることをおすすめします。

 おそらくはそこが夢への第一関門になるかと思います。頑張ってください。

2015年05月更新

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