私は今、福祉系の大学で社会福祉士の資格を取得するための勉強をしています。 ですが、最近、「将来の生活を考えたら社会福祉士よりも理学療法士になった方が良いのでは」と言われ、迷っています。今のところは福祉一本で一生涯がんばろうと思っていますが、将来、結婚して子供ができたとき、社会福祉士としての収入で一家を支えていけるのかどうか……。 理学療法士は、医師や看護師の次に収入が良く、将来的にも安定した職業なのではないかと思います。自分の人生は自分で決めなければいけないと思いますが、考えれば考えるほど頭の中が真っ白になってしまって……どうすればよいでしょうか?
これは私の個人的な意見なのですが、福祉の仕事は、日本においては現在もなお発展途上なのではないか、と思っています。
日本における福祉職は、日本の少子高齢化が社会的に注目され始めた時代に、福祉職を担う人材を確保し、福祉職の能力を高く維持するために、行政が次々と創設した資格によっています。社会福祉士の資格が制度化されたのは1987年。まだ20年も経っていない、国家資格のなかでも新しい資格の一つです。そういった資格制度と、現場の要望と、社会の情勢と……。発展途上であるために、いろいろなことが流動的で、うまく折り合いがつけられない部分があったりして、そのことが収入の面でも少なからず影響しているものだと思います。また、弱者を助けるという福祉の性質も影響しているのかもしれませんね。
福祉従事者の給料を上げるために、福祉利用者の金銭的負担を強いることは、やはり難しいものだと思います。ただ、実際、将来のことは私には断言できないのですが、発展途上の福祉だからこそ、これから収入アップが見込めるかもしれない、と考えることもできるのではないでしょうか。
理学療法士についてですが、理学療法士は、福祉の要素も持ち合わせていますが、実際の業務内容は臨床的で、医療的です(医師の指示のもと、医療行為を行います)。社会福祉士とは業務内容がかなり異なります。また、国家試験を受けるためには大学や専門学校で3~4年間修業をしなければならないので、時間がかかります。学費もかかります。たしかに収入の面では良いのかもしれませんが……。それを承知の上で、理学療法士に転向することを考えるのであれば、選択肢に入れてみても良いでしょう。
ちなみに私自身は、考えれば考えるほど複雑になる問題に対しては、体が正直に向かう方に従うことが多いかもしれません。将来的な収入がわからないのは、どの仕事も同じなのだから、やりたいことしよう!と、わりとのんきに考えてしまいます。これも、あくまでも個人的な意見ではありますが。(すずき)
2006年08月更新