自分は消防士か刑務官になりたいと思っています。どちらの職業も大学に行かなくてもなれる職業なんですが、将来の給料や公務員試験のことを考えた場合、就職と進学のどちらを選ぶべきなのでしょうか。
まず消防士と刑務官、それぞれの試験についてご説明します。
消防士試験は市町村ごとに行われます(ただし東京都は「都」で試験を行います)。試験は原則、大学卒、短大卒、高校卒に分かれて実施されます。倍率は自治体によって違い、高いところで20~30倍、低いところでは4~6倍ほどと地域によってばらつきがあります。高卒か大卒かでの倍率の違いはあまりありません。
一方、刑務官は、高卒者・大卒者一緒に試験が行われ、地域別(北海道・東北・関東甲信越静・東海北陸・近畿・中国・四国・九州・沖縄)、男女別に実施されます。倍率は平成17年度が約8倍、18年度が約5倍でした。いずれにしても、どちらの仕事とも高卒・大卒問わず、採用試験にむけた勉強が必要になります。
なお、初任給に関しては、高卒と大卒とで4~5万の違いがあります。その後は、定期的に決まった額ずつ昇給しますが、昇任試験(より上の地位をめざす試験)を受けてそれに合格すればさらに給料が上がりますので、このあたりは努力次第ということになるでしょう。
就職か進学かどちらを選ぶかですが、一番のポイントは、いまから働きたいか、それとももう少し別の選択肢を考える時間を持ちたいかだと思います。大学では、消防士や刑務官になるのに、直接役に立つ学科というのはあまり多くはありません。ただ、今まで特に勉強したというわけではなくても、少し興味を持った学科(例えば、法律、経済、教育など)があれば、そうした勉強をすることで、自分の視野を広げてみるのもいいかもしれません。(マツカワ)
2007年05月更新