私は将来、音楽関係の仕事をしたいと思っています。でも、専門学校に行くとそれなりにお金がかかるし…。だからと言って、やりたい事を諦めたくありません! どうしたらいいでしょうか?
専門学校の入学金や学費は、学校によって差があります。奨学金制度を設けている学校もあるので、いくつか比較してみてはどうでしょうか。
でも考えてみたら、お金がかかるのは進学するときよりも、音楽を実際に仕事にしようとするときかもしれません。専門学校に通っているうちは、学校にある最新の機材が使えたり、プロの指導を受けられる機会もあるでしょう。でも卒業してしまったらどうでしょうか?
私には居酒屋でアルバイトをしながら、バンド活動をしている知り合いがいます。アルバイト代は彼の生活費となるだけでなく、楽器を買ったりスタジオを借りるためのお金にもなります。認められてプロになるまではこういう生活が続くことでしょう。
専門学校に行くにしても行かないにしても、一人前になるための勉強をすることは大切なプロセスだと思います。奥が深い音楽の世界であればなおさら。ある程度の「お金」や「時間」を出しおしみしないことも必要となってくるでしょう。
ところで、私もあなたと同じように、やりたいことをあきらめたくない! と強烈に感じたことが一度あります。大学4年の頃、周囲が就職活動をしているなか、「そういえば私、文章を書く仕事をしたかったんだ!」と思い立ち、私は就職活動を一切やめてアルバイトでライターの仕事を始めました。実際にやってもいないことについて自分が向いているかどうかとかを悶々と考えるより、エイヤッととびこんでしまった方がいい!という思いが爆発しての決断でした。それだけの覚悟も、いつのまにかできていたようです。
もしかしたら、私は進路の遠回りをしたのかもしれない。そう思うこともたびたびありました。でもベストの決断だったんではないかと今では考えています。もし、あのまま就職活動を続けていたら…やりたかったことをやれなかったことを誰かや環境のせいにして後悔を抱えたままの、いやな人間になっていたのではないかと思うのです。「お金」や「時間」だけじゃなくて、自分の「感覚」を出しおしみせず、興味がある世界にどっぷりと浸らせることで新たな地平が見えてきたような気がする、そんな貴重な経験もしました。
あなたがどんな進路を選ぶにしても、覚悟して自分で決断した進路であれば、それがあなたにとっての正解なのだと思います。たとえ失敗や挫折を味わっても誰のせいにもしない、自分で責任を持つと覚悟することができれば、きっと納得のいく進路になるはずです。他人から見たら遠回りに見えることも、自分にとってはかけがえのない経験だと胸をはって言えると思います。(すずき)
2006年06月更新