日本の発展に資する若者を専攻不問で支援する
「報本反始」の精神に基づいて設立した公益財団法人の奨学金
若い時に苦労をした創業者・森下博が残した財産を、“日本の発展に役に立つ若者”を育成する上で活用できないかということでスタートしたのが森下仁丹奨学会の奨学金です。
奨学会設立は昭和38年。すでに半世紀以上にわたって、将来ある若い大学生たちを支えてきました。
私たちは家庭薬「仁丹」のメーカーですから、当初は薬学だとか医学だとか、理系の大学生が多い傾向にありましたが、いまは学部を問わずというか、多様な分野や学問を志向する方が増えています。そうした形で、これまでおよそ800人にもおよぶみなさんを支援してきました。
一年間に50人程度に支給。原資は国債などの運用益から
株式や国債といった金融商品の運用益を奨学金拠出の原資としています。従って、時代によって一年間に支給できる人数には違いがありますが、現在は40~50人前後のみなさんにお渡ししていて、採用選考自体は毎年5月に行っています。当奨学会の奨学金は給付型で、一人3万円を支給しています。
卒業後の進路は修了生の自由。森下仁丹で活躍する人材も!
実際、いまの社員の中には、かつて奨学生だった人材がいます。しかし、最初から入社を約束させているわけでもなく、反対に入社意向があればお断りするものでもなく、当奨学会としてはフラットな姿勢で臨んでいます。奨学金を得て学んだ後どうするのかは、奨学生ご自身が考えればいいのだと思います。
なぜなら、当奨学会が期待しているのは、日本の発展に資する人材への成長だからです。もちろん、その舞台が森下仁丹だというのであれば、非常に光栄ではあります。しかし、修了生のみなさんが、それぞれご自分が目指した分野でご活躍されていることを嬉しく思いますし、それはそれで当奨学会の誇りでもあります。
幅広い対象者と年齢層が特徴。学びの機会を広く提供したい
当奨学会で言えば、女子学生が多い印象があります。総じて、意欲的かつ非常に積極的で、自分がやりたいことをハッキリと持っていらっしゃる。もちろん、大学の学業成績も良い傾向にあります。
あとは、社会人を経験してから、さらに専門性を深堀りしたり、改めて新しい分野を目指したりする人もいらっしゃいます。その意味では、奨学生には年齢を重ねた人もいます。対象者と年齢層が幅広いのが当奨学会の一つの特徴でしょう。奨学金の給付と貸与のどちらが優れているとは言えませんが、家庭や育成環境の経済的な事情で勉強の機会が不平等になるのはやはりおかしい。国力というか、日本の将来からすれば、学ぶチャンスは、多様な若者に開かれているようにするべきだと思います。
森下仁丹奨学会 DATA
- 種類
- 学部学生、大学院生
- 金額
- 月額3万円
- 学部学生:1年生=高校3年間評定値4.0以上
- 大学院生:1年生=前年までに標準修得単位を修得済であり、かつ前年度までの通算GPA値が2.8-以上
- 対象
- 書類審査の上、選考委員会による最終審査によって選抜。予定者数を超える場合は、経済状況を優先して選考