若者の人間力を醸成し
可能性を広げていきたい
修学意識が一様に高い奨学生。民間団体だからこその給付型
電通育英会の奨学金は、平成22年に貸与型から給付型に移行しました。日本学生支援機構が貸与枠を拡充させたため、民間団体には給付という使命が期待されていると考えたのです。
給付型の採用人数自体は貸与型の半分以下ですが、より最適な人物を選ぶために、選考には時間と労力を費やしています。
採用された奨学生の意識は一様に高いという印象があります。“応援してくれている”という気持ちになるようです。真面目で前向きな方が多いですね。
成長を促す交流事業を展開。全国で活躍するOB・OGたち
当会は、奨学生の人間力を形成することと、奨学生相互の交流機会を設けることに力を入れています。そのための取り組みの一つが、例年一回実施している1泊2日のセミナーです。大学1年生には他者とのコミュニケーションやプレゼンテーションの方法を教えるプログラム、2年生にはさまざまな問題を解決するためのプログラム、そして3年生にはキャリア開発プログラムと、その時々の成長に必要と思われるテーマを取り上げて、人間力の醸成を図っています。
採用当初は頼りなげに見える学生も、そうした環境の中で、どんどん変わっていきます。その過程を目の当たりにすると、奨学事業を続けてきて本当に良かったと思います。
また、11月には北海道から九州まで、全奨学生とOB・OGが一堂に会する「奨学生の集い」が開かれます。そこでの交流は、多様な友人・知人を作り、刺激し合える貴重な人間関係を構築する機会となっています。
新たに理系志望者も対象に。来たれ! 意欲のある若者!!
現在、当会では、従来の文系・芸術系に加えて支援対象を理系志望者や大学院生に広げたり、海外活動費や受験時の助成金を給付したりと、制度の充実を図っています。これからの社会を見据えた多様な人材を採用したい、そして、奨学生となった方を手厚く育てていきたいとの思いからです。
海外活動費を支援した学生のレポートなどを読むと、海外の文化や課題にふれたことで意識が変わり、視野が広がっている様子が伝わってきます。たとえ1カ月と短い期間だとしても、その経験から得るものは小さくはありません。若者の将来の可能性を広げるきっかけを支援することには、とても大きな意義があると思います。
高校生のみなさんには、そうした当会の支援制度にぜひチャレンジして欲しい。先生方にも、意欲があるにも関わらず、経済的理由で進学をあきらめかけている生徒のみなさんに声をかけるなど、後押しをしていただけると嬉しく思います。
電通育英会 大学奨学生(高校時予約・給付型)DATA
■大学給付奨学生
- 種類
- 一般枠、芸術枠
- 金額
- 月額6万円
- 入学一時金として、月額6万円とは別途に一律30万円を支給
- 奨学金給付期間中に「海外留学・活動支援金」の受給が可能
- 選考を通過した内定者に対して10万円の受験等助成金を支給
- 対象
- 財団指定の高校、かつ指定大学進学(予定)者の中から75名程度(一般枠+芸術枠)