(1)個人面接
面接官(1人または複数)⇔受験者
- 10~30分程度行われる
- 調査書や志望理由書の内容をもとに質問されることが多い
- 一つの内容について深く掘り下げて質問されることもある
- 面接官が複数いる場合は、個々の面接官が角度を変えて質問したり、1人が質問役でほかの面接官が回答内容をチェックするといったケースがある
総合型選抜・AO入試では、出願先の学校で学びたいという意欲や適性を評価します。大学・短期大学・専門学校側がそれらを判断するのに用いるのが、志望理由書をはじめとする提出物や面接・面談、小論文などです。ここでは、効果的に自分をアピールするためのコツやポイントをチェックしておきましょう。
総合型選抜・AO入試で大切なのは、受験生がアドミッションポリシー(受け入れ方針に基づいた「期待する人物像」)に合致しているかどうかです。そのために、大学や学部が求める人物であることをアピールする「志望理由」が重要になってきます。
エントリーや出願時に提出する「志望理由書」は、合否を左右する判断材料になります。
「志望理由書」を書く際には、入学案内書や大学のウェブサイトを見たり、オープンキャンパスに参加するなどして、アドミッションポリシーをしっかりと理解しましょう。
そのうえで、その学校・学部等でやりたいのはどんなことなのかを明確にして、しっかりと伝えることが合格への第一歩です。
大学・短期大学が実施するAO入試は、2020年度より名称が「総合型選抜」に変更されました。専門学校は2020年度以降も引き続き「AO入試」の名称が使われますが、大学付属の専門学校など一部の学校では「総合型選抜」に変更されるところもあります。
今までの大学・短期大学のAO入試では学力検査は行われていませんでした。しかし、「総合型選抜」においては、「学校推薦型選抜」と同様に学力検査が必ず行われます。学力の3要素である「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「主体性を持ち、多様な人々と協働して学ぶ態度」をより総合的に様々な角度から評価するためです。
選考方法としては、小論文等、プレゼンテーション、口頭試問、実技、教科・科目に係るテスト、資格・検定試験の実績など、あるいは「大学入学共通テスト」のうち少なくとも1つの活用が必須化されます。また、総合型選抜では、志願者本人の入学希望理由書やそれまでの活動報告書などの資料を積極的に活用することが促され、課外活動(部活動、ボランティア活動、留学、表彰歴など)が評価に活用されることが増える可能性もあります。
一方、専門学校のAO入試では、ほとんどのケースで「面接」や「面談」が課されています。それは、時間をかけてコミュニケーションをはかり、受験生がアドミッションポリシーを理解しているか、その学校や学部・学科で学ぶ意欲や適性があるかどうかを見極めるためです。
総合型選抜・AO入試の選考チェックポイント
自分の意見や考え、将来の夢などを人にしっかり伝えられるように準備しておこう!
やる気や可能性をアピールする「志望理由書」。それだけに、エントリーや出願の際に提出する書類の中でも、合否に大きく関わってきます。自己分析と大学・学部研究を行い、論理的かつ明確にしっかりと志望理由が伝わるように仕上げることが大切です。
志望理由の根拠をアピールするために、序論・本論・結論または起承転結のスムーズな流れをつくる。
多角的な視点から受験生を評価するのが「面接」「面談」「口頭試問」です。自己アピールすることはもちろん、大学や学部・学科に対する理解を深める機会にもなります。受け答えの準備をしておき、マナーにも気をつけるようにしましょう。
面接官(1人または複数)⇔受験者
面接官(1人または複数)⇔ 複数の受験者
受験者 ⇔ 受験者
出題者 ⇔ 受験者
※ 上記のほかに、模擬授業を受けた感想を述べる形式、事前提出の小論文に対する追加質問がなされる形式などがある。
面接・面談では、事前に提出した志望理由書などをもとに、受験生の意欲や適性を見るための質問がされる。聞かれそうな質問については、前もって先生や友だちに手伝ってもらって受け答えの練習をしておこう。
志望校の教育目標や学長・学部長の名前を覚えておこう。オープンキャンパス・学校見学の際に感じたことなどをメモしておき、話すことを整理しておくとよい。
入学後に履修したい講座名や指導してもらいたい教授名を挙げられるのが理想的。また、大学で学ぶことを活かして、将来どんなことをやりたいか、どんな職業に就きたいかを明確に答える。
面接官の手元には、事前に提出した志望理由書や調査書があるので、矛盾のない応答ができるようにしておこう。アドミッションポリシーへの理解度も試される。
長所は具体的かつしっかりとアピールする。また、きちんと自分を見つめていることを示すためにも、短所については正直に話し、それを克服するためにどのような努力をしているかを伝えよう。
高校の校風や教育方針、理念などが自分に与えた影響を話す。部活動や生徒会活動、ボランティア経験、友人関係のことなどを具体的に話すのも効果的。それらを通して得たことをアピールする。
志望学部・学科に関わる社会の動き、卒業後に目指す分野についてはもちろん、世の中の流れや動向について把握しておく。毎日、新聞やニュースをチェックしよう。
面接・面談で良い印象を与えるためには、マナーを身につけることが必須。清潔感のある身だしなみ、ハキハキとしたあいさつや応答、礼儀正しい態度を心がけよう。
答えに困ったときは
質問に答えられない場合は、無理に答えようとしないこと。「分かりません」と素直に答えるとともに、例えば「努力が足りませんでした。図書館で調べたり、知識のある人からよく話を聞いて勉強します」と付け加えるなど、前向きな姿勢を見せるとよい。
適性や基礎学力が試される「小論文」。志望校の出題傾向を研究し、日常的に文章を書く練習をすることが大切です。また、志望学部に関連するニュースもチェックしておきましょう。
課題文やテーマに対し、感情を交えず、表面的な印象だけでなく、なぜそのことが起こり、問題視されるのか、その社会的な重要性は何かを深く掘り下げて論じる。
理論的・客観的
論理性がポイント
テーマを分析したり、掘り下げて判断するための思考や知識よりも、豊かな感受性、鋭い観察力をもって印象深く書く表現力が求められる。ある事柄から自分の心境や感想を述べていく。
主観的(感想・印象)
表現力がポイント
課題となっている文章や資料を分析した上で、自分の考えを述べる。この型の小論文が、最もよく出題される。
与えられた課題(社会問題、一般教養に関わる事柄、志望学部・学科関連の事柄など)について、自分の考えを書いていく形式。
教科書の内容などを中心に、その学部・学科に必要とされる基礎学力を測る内容の論述を行う。「現代文」「理系」など、いくつかのパターンがある。
主な採点ポイント
大学入学共通テストの英語試験では、英語の4技能(読む・聞く・書く・話す)を測るため、一定の評価が定着している民間資格・検定の導入が検討されてきました。参加申込を行った民間試験について大学入試センターが専門的な検討を行い、認定された試験は次の7種類です。令和5年度の入試までは従来の英語試験が実施され、令和6年度以降の入試についてはこれから再検討が行われ、方針が決定していく予定です。
大学入学共通テスト(共通テスト)は、大学入試センター試験(センター試験)の後継として導入される予定の全国共通の試験です。センター試験との主な違いは、英語の試験で筆記200点、リスニング50点だった配点が、リーディング100点、リスニング100点に変わること、「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」の試験時間が60分から70分になることなどです。
共通テストは、センター試験と同じく6教科30科目が設定されていますが、出題傾向には変化があると思われるため注意しましょう。
【注意】こちらの表は概要です。詳細な出題範囲等については大学入試センターが発行する最新の書類を確認しましょう。
出題科目 | 「国語」 ※「国語」の出題範囲は「国語総合」の内容(近代以降の文章、古典(古文)、漢文)となります。 |
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科目選択方法 | 特になし |
解答方法 | マーク式 |
試験時間 | 80分 |
配点 | 200点 |
出題科目 | 地理歴史:「世界史A」「世界史B」「日本史A」「日本史B」「地理A」「地理B」 公民:「現代社会」「倫理」「政治・経済」『倫理、政治・経済』 ※『倫理、政治・経済』は「倫理」と「政治・経済」を統合した出題範囲となります。 |
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科目選択方法 | 地理歴史と公民の出題科目10科目の中から最大で2科目を選択して解答する。 ※同一名称を含む科目の組み合わせは選択できません。 |
解答方法 | マーク式 |
試験時間 | 1科目選択の場合は60分 2科目選択の場合は130分(解答時間は120分) |
配点 | 1科目選択の場合は100点 2科目選択の場合は200点 |
出題科目 | 「数学Ⅰ」「数学Ⅰ・数学A」 |
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科目選択方法 | 出題科目2科目の中から1科目を選択して解答する。 |
解答方法 | マーク式 |
試験時間 | 70分 |
配点 | 100点 |
出題科目 | 「数学Ⅱ」「数学Ⅱ・数学B」「簿記・会計」「情報関係基礎」 |
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科目選択方法 | 出題科目4科目の中から1科目を選択する。 ※「簿記・会計」「情報関係基礎」は問題冊子が別冊子です。受験する場合、出願時に別冊子の配布申請が必要となります。 |
解答方法 | マーク式 |
試験時間 | 60分 |
配点 | 100点 |
出題科目 | 理科①「物理基礎」「化学基礎」「生物基礎」「地学基礎」 理科②「物理」「化学」「生物」「地学」 |
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科目選択方法 | 理科①と理科②の出題科目8科目の中からA~Dの4パターンのうちいずれかを選択して解答する。 A:理科①から2科目を選択する。 B:理科②から1科目を選択する。 C:理科①から2科目理科②から1科目を選択する。 D:理科②から2科目を選択する。 ※受験する科目の洗濯方法は出願時に申し出る必要があります。 |
解答方法 | マーク式 |
試験時間 | 理科①:2科目選択の場合は60分 理科②:1科目選択の場合は60分 2科目選択の場合は130分(解答時間は120分) |
配点 | 理科①:2科目選択の場合は100点 理科②:1科目選択の場合は100点 2科目選択の場合は200点 |
出題科目 | 「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」 |
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科目選択方法 | 「英語」「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」の中から1科目を選択して解答する。 ※「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」は問題冊子が別冊子です。受験する場合、出願時に別冊子の配布申請が必要となります。 |
解答方法 | マーク式 |
試験時間 | 「英語」:リーディング80分 / リスニング60分(解答時間は30分) 「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」:筆記各80分 |
配点 | 「英語」:リーディング100点 / リスニング100点(合計200点) 「ドイツ語」「フランス語」「中国語」「韓国語」:各200点 |
参照元:大学入試センター 令和3年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト受験案内 - 試験概要