医師になるにはどうしたらいいのですか?
まずは医科大学や大学の医学部での6年間の修業期間を修了した後に、医師国家試験に合格して医師免許を取得する必要があります。それから実践的な知識や技術を身につけるため、大学病院や市中病院で2年間の臨床研修を受けた後に一人前の医師になります。
かつての臨床研修制度には、業務量に見合わぬ低賃金、副収入を得るためのアルバイトの横行、その結果としての臨床技術や経験の修得不足などの問題点がありました。ですが、2004年に制度が改定され、プライマリ・ケア(身近にあり、気軽に診療や相談への対応をしてもらえる総合的な医療)を中心とした幅広い診療能力の習得を目的として、2年間の臨床研修を義務化するとともに、適正な給与の支給と研修中のアルバイトの禁止などが定められました。
制度改定当初は、内科、外科をはじめとする多数の診療科での研修が必修とされましたが、問題点も多く、2010年からは内科・救急・地域医療のみを必修とし、外科・麻酔科・小児科・産婦人科・精神科から2科が選択必修とする形に変更されました。また、マッチング制度の導入により、出身大学の医局の意向によらない、自由な研修先選択ができるようにもなっています。
このように、改革により改善された点も多い臨床研修制度ですが、医局の支配力が低下した結果、都市部や人気病院に研修医が集中し、大学病院や地方の病院は医師不足に悩むという歪みも生じてきています。
何にせよ、下積み時代は大切ですので、この時期に自身の力で何を学び何を吸収するかが、将来的に誠実で優れた医師とそうでない者とを分けるのかもしれません。
2018年05月更新