高校受験を控えた中学生です。 私は将来イラストレーターになりたいため、大学は地元にある美術大学に入りたいと思っています。 このような場合、専門的に美術を学べる高校に進んでおいた方がよいのでしょうか。
まず最初に、美術大学への進学にあたり、どのような勉強をしていく必要があるのかを確認しておきましょう。
1点目は「実技試験」対策。
大学や学科によって内容は異なりますが、受験生の基礎能力を確認するため、入試時にデッサンやカラー作品の描画、立体造形などの課題が課されるため、事前にその対策を行っていく必要があります。いわゆる「美術予備校」で学ぶのはこちらの試験向けの対策となります。
2点目は「学科試験」対策。
大学や学科によって学科試験にどの程度の重きを置いているのかは異なりますが、決して無視できないレベルの配点はされていると考えておく必要があります。
学科試験の問題は高校で学ぶ内容から出題されるので、高校での勉強をしっかりとしておきましょう。
さて、高校の時点から美術科などの専門的に美術を学べる学科に進む利点としては、高校で実技を学ぶことができるという点にあります。
ただし、美術科もピンキリで、美大受験に実績のあるところもあれば、カリキュラムが美大受験向けでないため、美大受験を希望する生徒は美術予備校を利用せざるを得ないというところもあるそうです。
そのため、高校の美術科を目指すのであれば、あらかじめ進学実績やカリキュラムを確認して、美大受験に向いているのかをチェックしておく必要があるでしょう。
美術科の難点としては、カリキュラムが特殊なため、学科試験対策が難しいという点が挙げられます。
実技で良い点を取れても、学科の結果が足を引っ張ってしまっては意味がありません。もちろん、実際に高校の美術科から美大に進学している人も多いわけで、努力次第でなんとでもなるとは言えますが。
一方、高校の時点で普通科に進んだ場合ですが、カリキュラムが大学受験に即しているということもあり、学科試験対策の面では問題ありません。普段からしっかりと授業を受け、予習復習をしっかりとして、大学受験生の平均よりやや上の成績を維持していけば、合格率はかなり高くなるでしょう。
とはいえ、平均的なレベルの高校ですと、教育の質や周囲の環境などの点で大学受験にはやや不利となりますので、できることなら進学校を目指した方がよいと言えます。
普通科に進学した場合、実技試験対策として美術予備校に通うことがほぼ必須となります。
美大受験希望者の多くは、高校1~2年生の頃から美術予備校に通って、実技のレッスンを行っているようです。
高校と美術予備校の両方に通う生活は、かなり忙しく、苦労の多いものになると思われますが、夢を実現させるためにはやむを得ない代償と言えます。
何にせよ、高校時点での進学先によって、美大進学ができなくなるということはありませんので、親御さんとよく相談をした上で、自分に一番合っていると思える進路を選んでみてください。
2017年03月更新