テレビディレクターになるために、日本大学芸術学部の放送学科への進学を希望しています。 そのことを担任の先生に話したところ、「芸術学部に進まなくともテレビディレクターにはなれる。テレビ業界への就職に失敗した場合、芸術学部卒だと他の業界への就職が難しくなるから、できれば他の学部を選んだ方が良い」と言われました。 このアドバイスは正しいのでしょうか。教えてください。
テレビ局のディレクターは、通常、総合職(一般職)での採用となるため、確かにさまざまな学部・学科から目指すことができます。
ただし、人気職業ということもあり、競争率は非常に高く、狭き門となっています。
そのため、少しでも採用率を上げるために、日芸などの「マスコミ業界に強い」大学を選んで進学する人も珍しくありません。
ですが、そのように最善を尽くしたとしても、志望者の大半が不採用となってしまうのがテレビ業界です。キー局と呼ばれる主要な民間放送局の場合、数百人に一人しか採用されないという厳しさです。
テレビ局の下請けをしている番組制作会社であれば、入社時の競争率は低くなりますが、待遇や給与はその分厳しくなりますので、あなたが憧れているような形での仕事はできないかもしれません。
おそらくあなたの学校の先生は、そのあたりを踏まえて、アドバイスをされているのだと思います。
「マスコミ業界に強い」大学に進むことで、多少有利になったとしても、競争率が競争率だけにテレビ局に入社できる可能性は非常に低い、それならば、就職先が限定されてしまう学部よりも、いざという時の選択肢が多い学部を薦めたいというのは、生徒が安定した仕事に就くことを願う教師としてもっともな考え方だと思います。
とはいえ、安定よりも、夢や仕事のやりがいを重視する生き方も間違いではありません。
どうしてもテレビ業界に進みたいということであれば、親御さんとも良く話し合いをし、味方を増やして三者面談などに臨むようにするとよいでしょう。
芸術学部のような、特殊な分野に特化した内容のカリキュラムを持つ学部の一般企業相手の就職状況は、確かに法学部や経済学部のような一般的な学部と比べれば悪いと言えます。
とはいえ、出身学部・学科を問わず採用を行っている企業はいくらでもありますので、そこまでは心配しなくてよいと言えるでしょう。気になるようなら、志望学部の学校パンフレットを取り寄せるなどして、就職実績を確認し、一般企業への就職がどの程度あるのか確認してみてもよいと思います。
2016年09月更新