足が不自由なため、移動に車椅子を使っています。 大学で語学(英語)を学び、卒業後、英語が使える仕事に就きたいと考えているのですが、可能でしょうか。
「英語が使える仕事」ですが、実のところ、英語力というものは、社会人にとってはあくまでも業務上の「道具」の一つでしかないため、あまりそれにこだわりすぎない方がよいでしょう。
日常的に英語が使われる職場では、英語力はあって当然の能力であるため、英語力以外に、営業力や事務処理能力などの実務的な能力を持っていなければ評価はされません。
海外(英語圏)と関係が薄い業種であれば、英語力が重宝がられることもありますが、そもそもそのような職場では英語を活用する機会自体がほとんどありません。
英語力を活かせるように思える翻訳や通訳の仕事にしても、英語力があるだけでは不十分で、群を抜いて得意とする専門分野(技術系に詳しい、特定地域の歴史や文化に詳しいなど)を持っていないと仕事を得ることは難しいそうです。
それを考えるならば、まずは車椅子でも働くことができる職場を探し、その中から少しでも英語が関係しそうな場所を見繕ってみるとよいでしょう。
車椅子を使用している人の職場としては、一般企業や在宅ワークなどが考えられます。
障害者雇用率制度により、企業には雇用する労働者の2.0%に相当する数の障害者を雇用することが義務づけられているため、障害者雇用枠を利用することによって、一般企業に就職することも可能です。
ただ、バリアフリー化が進んでいない事務所や施設も多いため、車椅子生活をしている人を雇用できる企業は限られているのが現状です。それを考えるならば、施設の整備が進んでいることが多い公務員を目指してみるのもよいでしょう。
職種はデスクワーク中心で、一般事務や営業事務などの事務職、システムエンジニアやプログラマといったIT系の職種などの求人が多いようです。
IT系の技術者の場合、海外の新しいプログラミング言語や技術を学ぶために、英語圏のWebサイトをチェックすることも珍しくないので、英語力を活かせる場面もあると思われます。
それを考えるなら、語学系の学部・学科に進むよりも、情報学部や工学部などの技術者寄りの学部・学科に進み、技術や資格を身につけるようにした方が、将来選べる求人の幅を広げられるかもしれません。
障害者向けの求人情報を専門的に扱っているWebサイトも存在していますので、そのようなサイトを利用して、あなた自身でも目指せそうな職業や職場についての情報を集めてみることをおすすめします。
2015年05月更新