高校のアートコースで美術関係の勉強をしている高校3年生です。 私は手先が器用で、全国レベルの絵画コンクールで何度か賞を取ったことがあります。ですが、私には発想力に欠ける部分があり、モチーフを指定されればそつなくこなすことができますが、オリジナリティのあるものを作るのは苦手としています。 世の中には私よりも絵が上手い人はいくらでもいますし、絵画の道を選ぶより、手先の器用さを活かしてものづくりの方面に進んだ方がよいのではと考えるようになってきています。 絵画やものづくりに共通する「細かい作業」が好きなので、どちらにも惹かれるものを感じているのですが、私はどちらの方面に進んだ方がよいのでしょうか。
発想力を含む芸術的なセンスですが、これは必ずしも生まれつきのものだけではありません。
もちろん、ごく一部の天才は生来の発想力やセンスを持っていますが、それだけでプロして活躍できるわけではありません。さまざまな作品を見て、経験を積んでいく中でセンスというものは磨かれ、プロとして通用する能力になっていくのです。
あなたの場合、既に何度も絵画で賞を取っているとのことですので、同年代の人と比べてセンス的には優れているはずです。自分では「過去の同モチーフの作品を参考にしただけ」と思っているかもしれませんが、指定されたモチーフを元に、参考にする作品を見いだせるだけでも才能があると言えるでしょう。
実際、商業的なデザインなどを行う場合、奇抜で独創的なものよりも、既存のデザインの延長線上にあるものを求められることも多いものです。私もゲーム関連やウェブのデザイナーとして働いていますが、クライアントから「イラストレーターの○○みたいなテイストで」といった発注を受けたことも数多いです。このような仕事であれば、発想力が乏しいと悩む必要もあまりないでしょう。
ここまで書いてきました通り、デザインの仕事でも経験は非常に大きな意味を持つものです。ですので、これまでの経験値を放棄して造形関連の学科に進むより、絵画系の学科に進む方が有利ではないかと思います。
以前見かけた海外のカートゥーンで、芸術イベントで似顔絵を描いている画家に対し「なんでこんなすごい絵を10分で描けるの?」と子供が聞いたところ、「30年と10分だよ」と画家が答えるというものがありましたが、これはまさに正鵠をついている内容だと思います。
30年の積み重ねがあってこそ、10分で素晴らしい作品が描けるようになるということを示しているわけです。
どのような分野にせよ、上を見れば、いくらでも上がいるものです。
ですが、いつかは自分もその場所に行ける、その場所は無理でも近いところまでは行けると信じて頑張れば、きっと立派な画家やデザイナーになれると思います。
アートコースに在籍しているということであれば、周りにアドバイスをしてくれる先生も多いと思います。色々な人に相談をして、本当に自分に合った進路を見つけてみてください。
2018年06月更新
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