これから需要が高まっていく職業、人不足になるような職業には何があげられますか。逆に、飽和状態になっていく職業には何があげられますか。
今後、需要が増えそうな職業、減りそうな職業について答えるのは非常に難しいことです。
国際的、国内的な社会情勢や景気の変動、新しい市場を作るような画期的な製品の登場などにより、時代ごとに職業の需要は大きく変わるものだからです。
たとえば、かつて花形産業だった鉄鋼業は、外国からの政治的な圧力や発展途上国の生産する値段の安い鉄鋼に押されて不況におちいり、職業需要を大幅に減らしました。ですが、その後、日本に優位性がある高品質の鉄鋼の生産や徹底した生産の効率化、発展途上国の経済発展による鉄鋼需要などによって現在は再び勢いを盛り返してきています。
また、携帯電話が登場したときには、それまで空前の活況を呈していたカラオケBOXやゲームセンター、飲食店などの娯楽産業が、若者の消費を携帯電話に奪われて不況におちいったものです。
このように未来に何が起こるのかが分からない以上、今後、どのような職業の需要が伸びそうなのか、といった問いに対するはっきりとした答えは出せないといって良いでしょう。
簡単に変えることのできない社会情勢に関する仕事、たとえば、現在の日本の少子高齢化にともなう福祉・介護産業の需要増加、といった事柄であれば、短期的な予想はできなくもありませんが、これにしても、将来、低賃金で働く外国人労働者が日本に入ってくるようになったらどうなるのかは分かりません。
あなたが実際に職業に就くまではまだ間があると思いますので、将来的な需要がありそうか、ではなく、自分の性格や向き不向きから考えて、長く続けられそうな「向いている」仕事は何か、という観点で職業を探してみると良いと思いますよ。
もし、短期的な職業需要でも良いから知りたい、ということであれば、あなたが気になる分野の大学や専門学校などが開催するオープンキャンパスや体験入学などに出かけてみて、学校の先生や進路担当者に問い合わせてみると良いと思います。業界に通じた専門家であれば、現在、不足している職業、今後数年くらいは必要になりそうな職業などについて詳しく知っているはずですので、情報を教えてもらえると思います。
2008年09月更新