「総合学科高校の変遷から今後の展望を考察する 17 ―メンタルフレンドシップアドバイザー 1回目―」筆者・玉川弘文

今回は、「メンタルフレンドシップアドバイザー」制度である。
不登校生・中途退学者のケア体制の確立、心の触れ合いを重視するため、
大学院心理学科の学生にボランティアをお願いした制度である。
明治学院大学と大正大学との2大学院でスタートした画期的な試みであった。
本制度を、2回に分けて紹介する。

背景には、
〇先生不信で不登校や中途退学をした生徒に対して、
 「いつでも相談してね」といっても「はい」とはならない。
〇教員は、良かれと生徒指導をした結果、
 保護者からの要望・苦情に、どのように接するべきか、
 生徒の距離感に戸惑うなか、年齢の近い、教師でもない、カウンセラーでもない
 生徒にとって親しみやすいお兄さん、お姉さんのような存在が必要である。
〇心理学科在籍の大学院生は、現場の教員が不足している
 科学的に心や行動を分析する理論と実践を学んでいる。
以上のことから、導入したと受け止めている。

週1回4時間カウンセリングルームでカウンセラーの指導のもと、
生徒たちのお姉さん役を果たしていた(いずれも女子学生)。
一日の活動を毎回記録票に記載して、生徒からの相談があった場合には、
「傾聴することに心がけ、指導を避けて」の活動であった。
将来は、メンタルフレンドシップアドバイザーとして家庭等に派遣したい。
また、大学院に対しても、本校での活動を
大学院での単位としても認定されるよう働きかけていた。
高校と大学院との連携ができれば、開かれた学校づくりの一層の推進となる。

外部の力をお借りしながら、相談体制や相談機能の充実を図り、
生徒はいつでも「私をサポートしてくれる先生がいるんだ」という
安心感をもって学校生活を送れるようにした。
K高校が目指した「学校」を「楽校」にする重要な要素であった。

【プロフィール】
日本大学商学部准教授
1985年より東京都立高校に勤務
北地区チャレンジスクール(現・桐ヶ丘高等学校)開設準備室 教諭、
北地区総合学科高等学校(現・王子総合高等学校)開設準備室 主幹教諭、
晴海総合高等学校 校長 等を経て、2023年より現職