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「高卒求人・高卒就職支援シリーズ(13)続・すべては求人票から」筆者・小林英明

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高卒採用セミナーの折に求人票作成について質問や相談を受けることがある。
中でも多いのは、どうすれば高校生にアピールできる求人票を作れるでしょうか、
という質問だ。
求人票の作成に関しては以前も本メルマガで取り上げたが※、
今回は別の観点から再び求人票作成に触れることにする。
※進路ナビニュース2023年4月14日掲載「シリーズ(8)」参照

それにしてもこの質問は難問だ。
高校生が注目する求人票の項目では賃金、仕事の内容、休日数などが上位を占めている。
教員の立場からは研修制度や雇用形態、時間外勤務等にも注意を払ってほしいが、
高校生の注目は前記の三点の他には選考項目、勤務地と転勤くらいである。しかし、
これらの項目は多くの企業では求人票作成者の裁量を超えている上に、
賃金、休日数、転勤可能性等は数字か「ある、なし」の記載なので表現の工夫もできない。
勝負は「仕事の内容」「補足事項」「特記事項」等の文章表現可能な項目になる。
もちろんそこに書く内容は企業として決定しているものだが、
その「事実」をどのように説明、解説するかは担当者の裁量であり、努力の見せ所でもある。

前回、求人票作成に触れた時には「仕事の内容」の欄について、
300字の制限字数を十分に活用した具体的で解りやすい記入を提案した。しかし、
求人票の文章記載欄はそれだけではない。
会社の事業内容、会社の特長が各90字、特記事項と補足事項が各300字、
青少年雇用情報の「職業能力の開発及び向上に関する取組」の欄も4項目で60字まで記入可能だ。
これらの欄を活用すればかなりの情報量を丁寧に伝えることが可能である。

そして、記入にあたって大切なことは「適材適所」だ。
「補足事項」や「特記事項」の欄は内容にかなり自由度が高く、
本来の欄に書ききれない場合や適切な記入欄がない場合に利用できる。
一方で、「事業内容」「会社の特長」「青少年雇用情報欄」は記入内容が限定される。
実際の求人票を見ていると、事業内容や会社の特長欄に記入できる、
企業の経営ポリシーや実績が補足事項欄に書かれていたり、
仕事の内容欄に雇用情報欄の研修の項目に記入できる、
入社時研修の説明などが入っていたりすることがある。
そのために補足や特記に書くしかない、転勤や福利厚生、社員寮等の説明が書けなかったり、
仕事の説明が抽象的だったりすることもあるのだ。
また、異なる欄に同じ内容が書かれている場合も稀にある。
これではただ字数を埋めただけになってしまう。
それぞれの記入欄を的確に利用して丁寧に解りやすい情報提供を実施することこそ、
企業や仕事の魅力を高校生に正しく伝え、教員の信頼も得る第一歩になるだろう。

【プロフィール】
元都立高校進路指導主任・多摩地区高等学校進路指導協議会事務局参与/
キャリア教育支援協議会顧問
1976年より都立高校教員。
2004年より都立拝島高校勤務、
2010年より進路指導主任として主に就職指導に当たる。
2019年3月定年退職。

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