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どのように過ごしましたか?(続編) 筆者:小林 英明(元都立高校進路指導主任・多摩地区高等学校進路指導協議会事務局参与)

コラム

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先月は、
「新型コロナウイルスで学校が休校の期間中は、
どのように過ごしましたか?」という質問が、
今年の面接試験で頻出するのではないかと予想しました。
これは、
生徒を指導する教員側の視点によるアプローチです。
本メルマガの読者には、
企業の採用担当者の方も多数いらっしゃいます。
今月は生徒を選考する側の視点について、
生徒を指導した経験から触れたいと思います。

面接試験を受ける生徒は、
懸命な練習をして面接に臨みます、
しかし、実際のところ、
学校では試験官の立場での経験や研修が十分な教員が少ないため、
生徒にとってよりよい練習はあまりできないものです。
高校生はこの休校中に今までにない様々な体験をし、
自粛生活の中でも様々な行動があったはずです。

しかし指導を十分に受けられなかった生徒たちは、
「~と思いました」や「~と感じました」などと回答しがちです。
つまり、出来事に対する感想に過ぎなかったり、
表面的な羅列に終始したりするのです。
採用担当者が、生徒の感想や思い出話を聞くことは、
「いいことを言うから真面目そうだ」
「元気が良いから頑張りそうだ」など
イメージのみによる評価につながりかねません。

高校生は大学生のように、
スキルを持ったスタッフから指導を受ける機会はあまりありません。
そのため表面的、外見的なことに気を取られて
思うような表現ができないこともあります。
また、主観的な感想や推測ばかり話したり、
将来についても抽象的な夢物語を話したりして、
自己の特性や能力を正確に伝えられない答えが多くなります。

そのようなことにならないよう、
質問する側としては、
「どのように過ごしましたか」「どう思いましたか」
という漠然とした質問は避けたいところです。
具体的な行動を答えられるように、
質問をつないで、
生徒が自分の能力や性格をアピールするチャンスを作ってください。
生徒の力が充分に評価されるように、
「面接」については指導する側も選考する側も研鑽を積みたいものです。

(元都立高校進路指導主任・多摩地区高等学校進路指導協議会事務局参与 小林英明)

【プロフィール】
1976年より都立高校教員。
2004年より都立拝島高校勤務、
2010年より進路指導主任として主に就職指導に当たる。
2019年3月定年退職。

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