どのように過ごしましたか? 筆者:小林 英明(元都立高校進路指導主任・多摩地区高等学校進路指導協議会事務局参与) 更新日: 2020年7月30日
コラム
「新型コロナウイルスで、
学校が休校の期間中はどのように過ごしましたか?」
という質問が今年の面接試験に出てきそうな気配です。
「新型コロナウイルス問題についてどう思いますか?」に比べれば、
格段に良い質問でしょう。
このことについては別の機会があれば、
ということにしておきます。
さて、本メルマガの読者には、
企業で高校生の採用業務をされている方と
高校で生徒の就職指導をされている方の
両方の立場の方がいらっしゃいます。
かたや生徒を選考する側、かたやその選考に向けて生徒を指導する側、
この質問をどう活用するか、この質問にどう答えるか。
選考側にはまだ多少の時間的余裕がありますが、
指導側の準備はもう始まります。
店頭に並ぶ面接対策本もこの質問対応は間に合っていないでしょう。
どのように答えれば面接官の心に響くのか、
アピールになるのか、
ポイントが高いのかばかり考えてしまう指導者も少なくありません。
しかしそれでは良い結果につながりません。
質問に対して、「正直に、誠実に」は当然として、
大切なのは「目的のある答え」です。
「目的」とは、
この面接(この回答)で、
自分の能力や特性のどの部分を伝えるか意識することです。
休校中にしたこと、考えたことの羅列では、
小学生の絵日記と同じです。
自分の長所が最もよく表われたできごとや
応募先の求める能力や特性が備わっていることを、
裏付けるできごとをたくさんの経験の中から選び、
その時の行動を中心に自分の言葉で具体的に表現します。
どのような場面で何を意図してどう行動したのか、
事実が大切です。
面接者は休校中の思い出を聞きたいわけではありません。
応募者の力や人間性を知りたいのです。
的確に答えるために、
生徒は就職指導が再開するまでに休校中のできごとを、
自分の行動を中心にしてふり返っておくと良いでしょう。
これは休校中に限ったことではなく、
高校生活ついて尋ねられたときの対策でも役立ちます。
(元都立高校進路指導主任・多摩地区高等学校進路指導協議会事務局参与 小林英明)
【プロフィール】
1976年より都立高校教員。
2004年より都立拝島高校勤務、
2010年より進路指導主任として主に就職指導に当たる。
2019年3月定年退職。