Riko Fukumoto profile 大阪府出身。2016年に開催された「第8回『東宝シンデレラ』オーディション」にて、グランプリ・集英社賞(セブンティーン賞)を受賞。 以降、映画「センセイ君主」(18年)、「屍人荘の殺人」(19年)、テレビ「僕の初恋をキミに捧ぐ」(19年/EX)、「CHEAT チート ~詐欺師の皆さん、ご注意ください~」(19年/YTV)、「パパがも一度恋をした」(20年/THK・CX系)、「大江戸グレートジャーニー~ザ・お伊勢参り~」(20年/WOWOW)などに出演。待機作には、映画「しあわせのマスカット」、「映像研には手を出すな!」などがある。 ◆スタイリスト Marie Takehisa ◆ヘアメイク Tomoko Tominaga/allure Eiji Akaso profile 愛知県出身。2014年に映画「ヒロイン失格」(15年)でデビュー。テレビ「わたし旦那をシェアしてた」(19年/YTV)、「ねぇ先生、知らないの?」(19年/MBS)など多くの作品に出演。2017年には、若手俳優の登竜門と言われている仮面ライダーシリーズ「仮面ライダービルド」で主演し、幅広い世代から人気を集めている。待機作には、映画「映像研には手を出すな!」などがある。 ◆スタイリスト Kentaro Higaki/tsujimanagement ◆ヘアメイク Hirose Rumi 「ストロボ・エッジ」「アオハライド」で知られる漫画家・咲坂伊緒さんの人気コミック「思い、思われ、ふり、ふられ」が、ついに実写映画化!同じ学校に通う高校1年生の男女4人が紡ぎ出す、すれ違う恋模様や、秘密や葛藤を抱えながら成長していく姿を繊細に描いた青春恋愛物語です。今回は、夢見がちで恋愛に対して消極的な「市原由奈」を演じる福本莉子さんと、由奈の幼馴染であり天然キャラだが家庭環境に悩みを抱える「乾和臣」を演じる赤楚衛二さんを訪ね、ご自身のお話をうかがうとともに、高校生のみなさんへの応援メッセージをいただきました。 芸能界に入った経緯を教えてください。 赤楚:僕の家では、月に1回「家族で映画を見る日」が設けられていて、DVDをみんなで見る習慣がありました。高校2年生くらいのときに「家族を幸せにしたい」と思い、家族を幸せにするにはどうしたら良いのかと考えたときに、家族との共通の話題は「映画」だったことから、「映画に出よう!」と思ったのが役者になりたいと思った最初のきっかけです。その前にも芸能活動のようなことはしていたのですが、お芝居は経験がなかったので、大学2年生のときに初めて役者のオーディションを受けました。 福本:わたしは、「東宝シンデレラ」オーディションを受けて芸能界に入ったのですが、幼馴染がオーディションを受けることを勧めてくれたのがきっかけです。人生は一度きりだしチャレンジしてみたいなと思い挑戦しました。まさか自分がグランプリに選ばれるとは思っておらず、芸能界に対して何もわからない状態だったので、嬉しいけれど「今後どうなってしまうのだろう」という不安が大きかったですね。 今回の映画の役が決まったときの心境について教えてください。 福本:オーディションを受けたときはあまり自信がなかったので、「決まったよ」と連絡をいただいたときは、本当に信じられませんでした。また、原作を書かれた咲坂伊緒先生の作品はファンの方もたくさんいらっしゃるので、今まで以上に不安とプレッシャーがありましたが、三木監督やプロデューサーさんをはじめ、キャストの皆さんもとても温かかったので、乗り越えることができました。 赤楚:僕もオーディションを受けて決まりました。オーディションを受ける前に「乾和臣」がどんな役なのか原作を読ませていただいたときに「この役は自分がやりたい、他の人にとられたくない」というくらい共感できる部分がたくさんあったので、受かったとマネージャーさんから連絡をいただいたときはとても嬉しかったです。その反面、先ほど福本さんも仰っていたのですが、この「思い、思われ、ふり、ふられ」には多くのファンの方がいるので「大きな作品に出演させていただく」ということで、不安はありましたね。 ご自身が高校生の頃は、この映画のストーリーと重なるところ、または重ならないところなどありましたか? 福本:わたしは女子校出身なのであまり重ならないですね。学校に男子がいないという状況で、女子だけで楽しく過ごしてきたということもあり、撮影中の共学の雰囲気は新鮮でした。わたしの学校は、文化祭にも男の人は入れなかったので、劇中である文化祭などのシーンはとても楽しかったです。 赤楚:恋愛面に関しては、僕はどちらかというと、好きだったら好きって勢いよく進んでいくようなタイプだったので、想いのすれ違いがあったりする複雑な恋愛などで葛藤することは高校時代にはあまりなかったですね。 高校時代を振り返って、何か印象に残っていることなどはありますか? 福本:わたしの学校は行事に力を入れていて、体育祭は学年対抗だったんです。体育祭の中では「応援合戦」という種目があり、朝昼晩とスタンドで練習して、学年全員で「優勝」という1つの目標に向かっていくというのは、とても良い経験だったなと思いました。 中学時代は、女子サッカー部に所属していたんですよね。 福本:そうです。中学1・2年生のときに女子サッカー部に所属していました。 赤楚:高校時代の一番思い出に残っていることは、高校2年生のときの修学旅行です。高校2年生のクラスが一番好きだったんですが、文化祭やサッカーの授業などでも、本気で怒って本気で楽しんで、というような「何事も全力で楽しむ」ということを一生懸命やるメンバーが集まっていました。そのときのクラスメイトとは修学旅行で一層仲が深まり、今でも仲の良い友達です。修学旅行では、信号が赤のときにクラウチングスタートの準備をして、青になったら「ヨーイドン!」でみんなと走り出すなど、青春だったなと感じますね。 今回の共演者に対する第一印象と、実際にお会いしたときの印象について教えてください。 福本:赤楚さんは優しそうなお兄さんだなという第一印象で、それは実際も変わりませんでした。劇中で、由奈と和臣は幼馴染ですが、あまり一緒に撮影するシーンがなかったので、今回の撮影時にはそんなにお話しする機会がなかったですね。 赤楚:撮影時に一緒になったのは、全部で3日間くらいでしたね。 福本:最近、違う作品の撮影で一緒になったときに「おー!久しぶり」という感じで、今回の映画の撮影時よりたくさんお話ができました。お互いに人見知りをしていたのかもしれません。 赤楚:福本さんの最初の印象は、クールな人なのかなと思っていたのですが、話してみたらやっぱり関西人で、僕も家族が関西人なのでとても親近感がわいて、実際には明るい人という印象ですね。 共演の浜辺美波さんと北村匠海さんに対してはどんな印象でしたか? 福本:浜辺さんは同い年の事務所の先輩で、何度か共演もしているので、とても心強かったです。役柄としても、良い信頼関係を持った同級生の2人なので、そういった部分でもとても助けられました。浜辺さんと北村さんとの3人のシーンが多かったので話す機会も多く、最初は緊張していたんですが、北村さんのほうから話しかけてくださったので現場にもなじむことができました。 赤楚:美波ちゃんは、静かな人なのかなというイメージがあったんですが、それとは違った明るさを持っていてよく話してくれる人でした。最初に4人で「敬語はやめよう」という話になったときから敬語なしで話してくれて、優しい人だという印象も受けました。匠海くんは、自分が思っていたイメージのままだったんですが、それに加えて博識で話が面白いな、と感じました。 現場での待ち時間ではどのように過ごしていましたか? 福本:みんなでお喋りすることもありましたが、4人ともB型だからなのか、みんなでいても個々に自分のやりたいことをやっていることが多かったですね。(笑)北村さんは博識ということもあり、雑学王なんです。その雑学を聞いたりしていました。わたしは写真を撮ることが好きで、一眼レフのカメラを現場に持って行って待ち時間に写真を撮ったりしていたんですが、そこでも北村さんがフラッシュを使ってぼやけさせるような撮り方を教えてくれました。手の動きがプロでしたね。 赤楚:僕はラーメンの話ですかね。撮影が忙しく、現場ではあまり食事に行くことは出来なかったんですが、どこのラーメン屋に行ったとかをみんなに話していました。 ご自身が演じた役と、実際の自分とで共通する部分はありますか? 福本:わたしは自分がなぜ「由奈役」に選んでいただけたのかが不思議で、それを三木監督やプロデューサーさんに聞いてみたんです。そのときに、由奈の「芯の強さ」のようなものがわたしの中にもあって、それとリンクして選んでもらえた、という話を聞きました。自分ではそういった面にあまり気付いていなかったので、それを聞いてはっとさせられました。由奈は、人見知りで引っ込み思案でうつむきがちな女の子なんですが、わたしは関西人ということもあって人と話すことが好きなので、そういう部分は自分とは似ていないのかな、と感じました。 赤楚:僕には弟がいるんですが、割とスパルタ教育で厳しく育ってきた自分に比べて、弟は「自分がやりたいことをやるんだ」という生き方で突き進んでいったので、弟に対する羨ましさのようなものは学生時代にずっと持っていました。そういうこともあって、和臣の家族間のバランスをとるという部分と、本当にやりたいことに蓋をし続けて生きてきたという部分は共感できるな、と思いました。似ていない部分は、僕は和臣と違って天然ではないというところですね。 福本:え、天然じゃないんですか?(笑)赤楚さんは天然という噂をよく聞いていましたよ。 赤楚:抜けているところはありますね。(笑)あとは、和臣はたまにズバッとストレートに意見を言うんですが、僕はあまり言えないので、そこも似ていないところかな、と思います。 この映画に対する思いなどはありますか? 赤楚:ここ数年の間に、一番お芝居で壁を感じたのがこの作品でした。今まではお芝居をしながらアイディアを出していくというのに必死で、欲のようなものが出ていたのですが、今回はアイディアを出すということはなく、立っているだけで良いというような中でのお芝居だったのでそれが難しく、最初は本当にうまく演じることができませんでした。いつものように演じることができず、声も作ってしまったりして、「これはどうなるのだろう」とずっと悩みながら一番もがいた作品です。さらに和臣と自分の境遇が似ているということ、三木監督に出会えたということなど、いろいろ重なった奇跡のような作品でもあります。「人に会って思いを伝えるのは良いことだよ」と気付かせてくれる作品であり、さらに誰もが一度は抱えるような家庭やその他のいろいろな悩みなどを「恋をすることで一歩進んでいく」という物語は、見ている人にとって背中を押してくれる作品になっているだろう、と思います。 福本:今回、映画で主演という大きな役をいただくのは初めてだったので今まで以上に心配だったのですが、その分「今までで一番準備したな」と感じています。原作マンガは12巻あり、それが集約されてこの映画になっているので、映画では描かれていない部分も漫画では描かれています。そのため、撮影前から原作マンガを全部何度も読み返して、映画では描かれていない部分も原作から抜き取って自分の中に落とし込んで、ということは撮影に入ってからもずっと続けていました。今回の「市原由奈」との向き合い方は今までの作品とは少し違っていて、一番悩み一番考えた作品だったかなと思います。 好きなシーンや見どころを教えてください。 福本:自分の思い出に残っているシーンでもあり、由奈としての見どころのシーンでもありますが、理央に告白するシーンがやはり一番心に残っています。振られるとわかっていて告白するのは自分だったら絶対に無理だと思うので、それを実行する由奈は強くて素敵な女性だと思いましたね。実際の撮影ではいろんな方向から撮るため、何度もテイクを重ねていくのですが、毎回「よし告白するぞ」って気合を入れて告白して毎回振られるので、それを繰り返しているとだんだん自分でも精神的に辛くなってくるんですよね。(笑)そういうシーンだったので、結構印象に残っています。 この作品は、やっぱり今までの少女漫画の実写とは違うなと感じます。もちろん少女漫画らしい胸キュンな部分もあるんですが、まず「4人主演」というのが新鮮だし、「ヒロインが2人」というのも今までにない形だと思います。4人が10代ならではの「将来どうなるんだろう」という不安や悩みなどを抱えながらも、それぞれがお互いを思いやって、それでもすれ違って傷ついてしまって、という中で4人がそれを乗り越えて成長していくという物語でもあるので、10代の人は自分の悩みとリンクする部分があると思うし、大人の方が見ても「昔こういうことあったな」と共感してもらえる作品だと思います。幅広い世代の方に響く作品なので、ぜひたくさんの人に見てもらいたいです。 赤楚:個人的に自分の好きなシーンは高台のシーンですね。高台のシーンは3回くらいあったのですが、心情の変化があり、3回とも景色が違って見えたシーンだったので、面白かったです。作品全体の見どころについては、福本さんが全部言ってくれました。(笑) 最近だと新型コロナウィルスの影響で「人に会えない」ということもあり、だからこそやっぱり人と会って想いを告げることは大切だということを、改めて感じられるような作品になっているんじゃないかなと思います。 高校生の皆さんに向けてメッセージをお願いします。 赤楚:高校生の頃は「将来自分が何をやりたいのかわからない」という人が結構いますよね。そういうときには、「自分が何をするのが好きか」ということを突き詰めていくと、割と自分の進む道が分かるようになってくると思うんです。例えば、人と話すのが好きだったら営業職も美容師もできる、そういう風に「自分が何をするのが好きか」というのを突き詰めて、根本的な部分で自覚を持てば、将来の選択肢は広がるし明確になるんじゃないかな、って思います。 福本:わたしもつい最近まで高校生だったので、読者の皆さんと同世代くらいですね。特に受験生は受験の辛さもあると思うのですが、それを乗り越えたらきっと楽しいキャンパスライフが待っているし、キャンパスに行かずとも自分のやりたいことができるようになると思うので、ぜひ頑張っていってほしいですね。わたしは大学でお芝居のための勉強ができればと思い、社会学部に入りました。社会学部には「人と人が仲良くなるには」ということについて学べる授業があったので、お芝居をしていく中でその授業を受けてみたいと思いました。 今後の目標を教えてください。 赤楚:僕は考えさせられるような物語が好きなので、そのような作品に出演し役者として表現をして、自分のお芝居を見てくれた方がその作品について考えてくれる、そんな影響を与えられる人間になりたいと思っています。 福本:いろいろな作品に出てさまざまな役を経験し、どんな役でもどのポジションでも役割を果たせるような、見てくれた方に「この女優さん良いね」と思ってもらえるような人になりたいです。
Riko Fukumoto profile
大阪府出身。2016年に開催された「第8回『東宝シンデレラ』オーディション」にて、グランプリ・集英社賞(セブンティーン賞)を受賞。
以降、映画「センセイ君主」(18年)、「屍人荘の殺人」(19年)、テレビ「僕の初恋をキミに捧ぐ」(19年/EX)、「CHEAT チート ~詐欺師の皆さん、ご注意ください~」(19年/YTV)、「パパがも一度恋をした」(20年/THK・CX系)、「大江戸グレートジャーニー~ザ・お伊勢参り~」(20年/WOWOW)などに出演。待機作には、映画「しあわせのマスカット」、「映像研には手を出すな!」などがある。
◆スタイリスト Marie Takehisa ◆ヘアメイク Tomoko Tominaga/allure
Eiji Akaso profile
愛知県出身。2014年に映画「ヒロイン失格」(15年)でデビュー。テレビ「わたし旦那をシェアしてた」(19年/YTV)、「ねぇ先生、知らないの?」(19年/MBS)など多くの作品に出演。2017年には、若手俳優の登竜門と言われている仮面ライダーシリーズ「仮面ライダービルド」で主演し、幅広い世代から人気を集めている。待機作には、映画「映像研には手を出すな!」などがある。
◆スタイリスト Kentaro Higaki/tsujimanagement ◆ヘアメイク Hirose Rumi
「ストロボ・エッジ」「アオハライド」で知られる漫画家・咲坂伊緒さんの人気コミック「思い、思われ、ふり、ふられ」が、ついに実写映画化!同じ学校に通う高校1年生の男女4人が紡ぎ出す、すれ違う恋模様や、秘密や葛藤を抱えながら成長していく姿を繊細に描いた青春恋愛物語です。今回は、夢見がちで恋愛に対して消極的な「市原由奈」を演じる福本莉子さんと、由奈の幼馴染であり天然キャラだが家庭環境に悩みを抱える「乾和臣」を演じる赤楚衛二さんを訪ね、ご自身のお話をうかがうとともに、高校生のみなさんへの応援メッセージをいただきました。
芸能界に入った経緯を教えてください。
赤楚:僕の家では、月に1回「家族で映画を見る日」が設けられていて、DVDをみんなで見る習慣がありました。高校2年生くらいのときに「家族を幸せにしたい」と思い、家族を幸せにするにはどうしたら良いのかと考えたときに、家族との共通の話題は「映画」だったことから、「映画に出よう!」と思ったのが役者になりたいと思った最初のきっかけです。その前にも芸能活動のようなことはしていたのですが、お芝居は経験がなかったので、大学2年生のときに初めて役者のオーディションを受けました。
福本:わたしは、「東宝シンデレラ」オーディションを受けて芸能界に入ったのですが、幼馴染がオーディションを受けることを勧めてくれたのがきっかけです。人生は一度きりだしチャレンジしてみたいなと思い挑戦しました。まさか自分がグランプリに選ばれるとは思っておらず、芸能界に対して何もわからない状態だったので、嬉しいけれど「今後どうなってしまうのだろう」という不安が大きかったですね。
今回の映画の役が決まったときの心境について教えてください。
福本:オーディションを受けたときはあまり自信がなかったので、「決まったよ」と連絡をいただいたときは、本当に信じられませんでした。また、原作を書かれた咲坂伊緒先生の作品はファンの方もたくさんいらっしゃるので、今まで以上に不安とプレッシャーがありましたが、三木監督やプロデューサーさんをはじめ、キャストの皆さんもとても温かかったので、乗り越えることができました。
赤楚:僕もオーディションを受けて決まりました。オーディションを受ける前に「乾和臣」がどんな役なのか原作を読ませていただいたときに「この役は自分がやりたい、他の人にとられたくない」というくらい共感できる部分がたくさんあったので、受かったとマネージャーさんから連絡をいただいたときはとても嬉しかったです。その反面、先ほど福本さんも仰っていたのですが、この「思い、思われ、ふり、ふられ」には多くのファンの方がいるので「大きな作品に出演させていただく」ということで、不安はありましたね。
ご自身が高校生の頃は、この映画のストーリーと重なるところ、または重ならないところなどありましたか?
福本:わたしは女子校出身なのであまり重ならないですね。学校に男子がいないという状況で、女子だけで楽しく過ごしてきたということもあり、撮影中の共学の雰囲気は新鮮でした。わたしの学校は、文化祭にも男の人は入れなかったので、劇中である文化祭などのシーンはとても楽しかったです。
赤楚:恋愛面に関しては、僕はどちらかというと、好きだったら好きって勢いよく進んでいくようなタイプだったので、想いのすれ違いがあったりする複雑な恋愛などで葛藤することは高校時代にはあまりなかったですね。
高校時代を振り返って、何か印象に残っていることなどはありますか?
福本:わたしの学校は行事に力を入れていて、体育祭は学年対抗だったんです。体育祭の中では「応援合戦」という種目があり、朝昼晩とスタンドで練習して、学年全員で「優勝」という1つの目標に向かっていくというのは、とても良い経験だったなと思いました。
中学時代は、女子サッカー部に所属していたんですよね。
福本:そうです。中学1・2年生のときに女子サッカー部に所属していました。
赤楚:高校時代の一番思い出に残っていることは、高校2年生のときの修学旅行です。高校2年生のクラスが一番好きだったんですが、文化祭やサッカーの授業などでも、本気で怒って本気で楽しんで、というような「何事も全力で楽しむ」ということを一生懸命やるメンバーが集まっていました。そのときのクラスメイトとは修学旅行で一層仲が深まり、今でも仲の良い友達です。修学旅行では、信号が赤のときにクラウチングスタートの準備をして、青になったら「ヨーイドン!」でみんなと走り出すなど、青春だったなと感じますね。
今回の共演者に対する第一印象と、実際にお会いしたときの印象について教えてください。
福本:赤楚さんは優しそうなお兄さんだなという第一印象で、それは実際も変わりませんでした。劇中で、由奈と和臣は幼馴染ですが、あまり一緒に撮影するシーンがなかったので、今回の撮影時にはそんなにお話しする機会がなかったですね。
赤楚:撮影時に一緒になったのは、全部で3日間くらいでしたね。
福本:最近、違う作品の撮影で一緒になったときに「おー!久しぶり」という感じで、今回の映画の撮影時よりたくさんお話ができました。お互いに人見知りをしていたのかもしれません。
赤楚:福本さんの最初の印象は、クールな人なのかなと思っていたのですが、話してみたらやっぱり関西人で、僕も家族が関西人なのでとても親近感がわいて、実際には明るい人という印象ですね。
共演の浜辺美波さんと北村匠海さんに対してはどんな印象でしたか?
福本:浜辺さんは同い年の事務所の先輩で、何度か共演もしているので、とても心強かったです。役柄としても、良い信頼関係を持った同級生の2人なので、そういった部分でもとても助けられました。浜辺さんと北村さんとの3人のシーンが多かったので話す機会も多く、最初は緊張していたんですが、北村さんのほうから話しかけてくださったので現場にもなじむことができました。
赤楚:美波ちゃんは、静かな人なのかなというイメージがあったんですが、それとは違った明るさを持っていてよく話してくれる人でした。最初に4人で「敬語はやめよう」という話になったときから敬語なしで話してくれて、優しい人だという印象も受けました。匠海くんは、自分が思っていたイメージのままだったんですが、それに加えて博識で話が面白いな、と感じました。
現場での待ち時間ではどのように過ごしていましたか?
福本:みんなでお喋りすることもありましたが、4人ともB型だからなのか、みんなでいても個々に自分のやりたいことをやっていることが多かったですね。(笑)北村さんは博識ということもあり、雑学王なんです。その雑学を聞いたりしていました。わたしは写真を撮ることが好きで、一眼レフのカメラを現場に持って行って待ち時間に写真を撮ったりしていたんですが、そこでも北村さんがフラッシュを使ってぼやけさせるような撮り方を教えてくれました。手の動きがプロでしたね。
赤楚:僕はラーメンの話ですかね。撮影が忙しく、現場ではあまり食事に行くことは出来なかったんですが、どこのラーメン屋に行ったとかをみんなに話していました。
ご自身が演じた役と、実際の自分とで共通する部分はありますか?
福本:わたしは自分がなぜ「由奈役」に選んでいただけたのかが不思議で、それを三木監督やプロデューサーさんに聞いてみたんです。そのときに、由奈の「芯の強さ」のようなものがわたしの中にもあって、それとリンクして選んでもらえた、という話を聞きました。自分ではそういった面にあまり気付いていなかったので、それを聞いてはっとさせられました。由奈は、人見知りで引っ込み思案でうつむきがちな女の子なんですが、わたしは関西人ということもあって人と話すことが好きなので、そういう部分は自分とは似ていないのかな、と感じました。
赤楚:僕には弟がいるんですが、割とスパルタ教育で厳しく育ってきた自分に比べて、弟は「自分がやりたいことをやるんだ」という生き方で突き進んでいったので、弟に対する羨ましさのようなものは学生時代にずっと持っていました。そういうこともあって、和臣の家族間のバランスをとるという部分と、本当にやりたいことに蓋をし続けて生きてきたという部分は共感できるな、と思いました。似ていない部分は、僕は和臣と違って天然ではないというところですね。
福本:え、天然じゃないんですか?(笑)赤楚さんは天然という噂をよく聞いていましたよ。
赤楚:抜けているところはありますね。(笑)あとは、和臣はたまにズバッとストレートに意見を言うんですが、僕はあまり言えないので、そこも似ていないところかな、と思います。
この映画に対する思いなどはありますか?
赤楚:ここ数年の間に、一番お芝居で壁を感じたのがこの作品でした。今まではお芝居をしながらアイディアを出していくというのに必死で、欲のようなものが出ていたのですが、今回はアイディアを出すということはなく、立っているだけで良いというような中でのお芝居だったのでそれが難しく、最初は本当にうまく演じることができませんでした。いつものように演じることができず、声も作ってしまったりして、「これはどうなるのだろう」とずっと悩みながら一番もがいた作品です。さらに和臣と自分の境遇が似ているということ、三木監督に出会えたということなど、いろいろ重なった奇跡のような作品でもあります。「人に会って思いを伝えるのは良いことだよ」と気付かせてくれる作品であり、さらに誰もが一度は抱えるような家庭やその他のいろいろな悩みなどを「恋をすることで一歩進んでいく」という物語は、見ている人にとって背中を押してくれる作品になっているだろう、と思います。
福本:今回、映画で主演という大きな役をいただくのは初めてだったので今まで以上に心配だったのですが、その分「今までで一番準備したな」と感じています。原作マンガは12巻あり、それが集約されてこの映画になっているので、映画では描かれていない部分も漫画では描かれています。そのため、撮影前から原作マンガを全部何度も読み返して、映画では描かれていない部分も原作から抜き取って自分の中に落とし込んで、ということは撮影に入ってからもずっと続けていました。今回の「市原由奈」との向き合い方は今までの作品とは少し違っていて、一番悩み一番考えた作品だったかなと思います。
好きなシーンや見どころを教えてください。
福本:自分の思い出に残っているシーンでもあり、由奈としての見どころのシーンでもありますが、理央に告白するシーンがやはり一番心に残っています。振られるとわかっていて告白するのは自分だったら絶対に無理だと思うので、それを実行する由奈は強くて素敵な女性だと思いましたね。実際の撮影ではいろんな方向から撮るため、何度もテイクを重ねていくのですが、毎回「よし告白するぞ」って気合を入れて告白して毎回振られるので、それを繰り返しているとだんだん自分でも精神的に辛くなってくるんですよね。(笑)そういうシーンだったので、結構印象に残っています。
この作品は、やっぱり今までの少女漫画の実写とは違うなと感じます。もちろん少女漫画らしい胸キュンな部分もあるんですが、まず「4人主演」というのが新鮮だし、「ヒロインが2人」というのも今までにない形だと思います。4人が10代ならではの「将来どうなるんだろう」という不安や悩みなどを抱えながらも、それぞれがお互いを思いやって、それでもすれ違って傷ついてしまって、という中で4人がそれを乗り越えて成長していくという物語でもあるので、10代の人は自分の悩みとリンクする部分があると思うし、大人の方が見ても「昔こういうことあったな」と共感してもらえる作品だと思います。幅広い世代の方に響く作品なので、ぜひたくさんの人に見てもらいたいです。
赤楚:個人的に自分の好きなシーンは高台のシーンですね。高台のシーンは3回くらいあったのですが、心情の変化があり、3回とも景色が違って見えたシーンだったので、面白かったです。作品全体の見どころについては、福本さんが全部言ってくれました。(笑)
最近だと新型コロナウィルスの影響で「人に会えない」ということもあり、だからこそやっぱり人と会って想いを告げることは大切だということを、改めて感じられるような作品になっているんじゃないかなと思います。
高校生の皆さんに向けてメッセージをお願いします。
赤楚:高校生の頃は「将来自分が何をやりたいのかわからない」という人が結構いますよね。そういうときには、「自分が何をするのが好きか」ということを突き詰めていくと、割と自分の進む道が分かるようになってくると思うんです。例えば、人と話すのが好きだったら営業職も美容師もできる、そういう風に「自分が何をするのが好きか」というのを突き詰めて、根本的な部分で自覚を持てば、将来の選択肢は広がるし明確になるんじゃないかな、って思います。
福本:わたしもつい最近まで高校生だったので、読者の皆さんと同世代くらいですね。特に受験生は受験の辛さもあると思うのですが、それを乗り越えたらきっと楽しいキャンパスライフが待っているし、キャンパスに行かずとも自分のやりたいことができるようになると思うので、ぜひ頑張っていってほしいですね。わたしは大学でお芝居のための勉強ができればと思い、社会学部に入りました。社会学部には「人と人が仲良くなるには」ということについて学べる授業があったので、お芝居をしていく中でその授業を受けてみたいと思いました。
今後の目標を教えてください。
赤楚:僕は考えさせられるような物語が好きなので、そのような作品に出演し役者として表現をして、自分のお芝居を見てくれた方がその作品について考えてくれる、そんな影響を与えられる人間になりたいと思っています。
福本:いろいろな作品に出てさまざまな役を経験し、どんな役でもどのポジションでも役割を果たせるような、見てくれた方に「この女優さん良いね」と思ってもらえるような人になりたいです。