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早稲田大学 山口教授らの研究グループ世界初の成功

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炭素–炭素結合を切断する
世界初・独自の金属触媒を用いたアルカンのヒドロホウ素化反応の開発

【発表のポイント】
・アルカン(シクロプロパン)のヒドロホウ素化反応の開発に世界で初めて成功。
・緻密な遷移金属触媒設計により、不活性な炭素–炭素(C–C)単結合の位置選択的な切断を実現。
・医農薬品や機能性材料の原料となる有機ホウ素化合物の新規合成法を開発。

【概要】
早稲田大学理工学術院の山口潤一郎(やまぐちじゅんいちろう)教授らの研究グループは、シクロプロパン単結合(シグマ結合)のヒドロホウ素化反応の開発に世界で初めて成功した。
アルケン(二重結合)のヒドロホウ素化反応は大学初年度の講義において「ブラウンのヒドロホウ素化」*1として必ず学ぶ重要有機反応です。アルケンがボランと反応し、有機ホウ素化合物を与えた。有機ホウ素化合物は酸化することでアルコールに変換できる。また、ノーベル化学賞を受賞した「鈴木―宮浦カップリング反応」など有用な有機反応の原料として頻用される。しかし、ヒドロホウ素化反応は、反応性の高いパイ結合をもつアルケン(二重結合)やアルキン(三重結合)に限られており、パイ結合をもたないアルカン(単結合、シグマ結合)ではほとんど進行しないとされていた。
今回、研究チームはアルカンのヒドロホウ素化反応に挑み、アルカンのなかでも反応性が高いシグマ結合をもつシクロプロパン(三員環・環状アルカン)を用いて反応条件を探索した。その結果、独自に開発したイリジウム触媒を用いることで、シクロプロパンのC–C単結合の切断を伴うヒドロホウ素化反応の開発に世界で初めて成功した。
本研究成果は、アメリカ化学会誌『Journal of the American Chemical Society』のオンライン版に2020年6月1日(現地時間)に掲載された。

・掲載論文
σ-Bond Hydroboration of Cyclopropanes(シクロプロパン類のシグマ結合ヒドロホウ素化反応)
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacs.0c05213

・早稲田大学ウェブサイト
https://www.waseda.jp/top/news/69417

【研究内容に関するお問い合わせ先】
早稲田大学理工学術院(先進理工学部応用化学科)山口潤一郎
TEL: 03-5286-3225 E-mail: junyamaguchi@waseda.jp
ホームページ (研究室): http://www.jyamaguchi-lab.com/

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